ドラマ・デスク・アワード

ドラマ・デスク・アワード：ニューヨーク演劇界を彩る栄誉ある賞

ドラマ・デスク・アワードは、1955年から続く、ニューヨークの演劇界において最も権威ある賞の一つです。ブロードウェイ、オフブロードウェイ、オフオフブロードウェイといった、多様な舞台作品の中から、その年の優れた作品や才能を称えるために毎年贈られています。1968年から1969年のシーズンを除き、ブロードウェイのプロダクションも対象に含まれており、アメリカ演劇界における重要な賞として広く認識されています。

歴史：演劇評論家たちの情熱から生まれた賞

この賞の起源は、1949年にさかのぼります。ニューヨークの演劇評論家、編集者、記者、出版者たちが集まり、「ドラマ・デスク・オーガニゼーション」を設立。演劇界における重要な情報を共有し、より広く発信することを目的としていました。当初は「ヴァーノン・ライス・アワード」として授賞式が行われましたが、『ニューヨーク・ポスト』紙の批評家でオフブロードウェイ記事の先駆者だったヴァーノン・ライスへの敬意を表して名付けられました。その後、1963年から1964年のシーズンから現在の「ドラマ・デスク・アワード」に改名されました。

1974年には非営利組織となり、1975年には受賞者だけでなくノミネート作品も公表されるようになりました。現在、140名以上の演劇評論家、記者、編集者らが会員として所属し、賞の選考に携わっています。職員やノミネーティング委員会の会員は全員ボランティアで、熱意をもって活動しています。ノミネーティング委員会は実際に作品を観劇し、原則として月2回会議を開き、会員全員の投票を経てノミネート作品を選出します。報道関係者による投票で受賞者が決定されるという点が、この賞の大きな特徴です。

受賞者と作品：輝ける才能と記憶に残る舞台の数々

長年にわたり、この賞を受賞した著名な俳優、脚本家、デザイナー、そして新人たちの名前は、演劇史に刻まれています。バーナデット・ピーターズ、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズなど、数々のスターがドラマ・デスク・アワードを受賞し、その輝かしいキャリアをさらに輝かせることになりました。

36年以上にわたり、優れた才能を持つ新進気鋭のアーティストにもスポットライトを当ててきました。エドワード・オールビー、ウェンディ・ワッサースタイン、ジョージ・C・スコットといった、後の演劇界を牽引する多くの才能を早い段階で発掘し、その才能を世に知らしめる役割を果たしてきました。また、『ドライビング ミス デイジー』、『アザー・ピープルズ・マネー』、『マグノリアの花たち』、『真夜中のパーティ』など、時代を超えて愛される名作の数々が受賞作品に名を連ねています。これらの受賞は、ドラマ・デスク・アワードの人気をさらに高めることに貢献しました。

組織運営：専門家によるパネルディスカッションも開催

2010年にはウィリアム・ウォルフが会長に就任し、その後2011年にはアイザ・ゴールドバーグが後任となりました。2015年現在、マネージング・エグゼクティブ・プロデューサーはグレッチェン・シュガート、会長はチャールズ・ライト、ノミネーティング委員会委員長はバーバラ・シーガルが務めています。

設立当初から、専門家を招いてのパネルディスカッションを開催し、ブロードウェイ、オフブロードウェイ、オフオフブロードウェイといった様々な舞台芸術の情報共有と、演劇界全体の活性化に貢献しています。

授賞部門

ドラマ・デスク・アワードは、演技部門、作品・技術部門、そして特別賞など、複数の部門で受賞者を決定しています。過去には廃止された賞も存在しました。

その他の演劇賞

ドラマ・デスク・アワード以外にも、トニー賞、ルシル・ローテル賞、オビー賞、ニューヨーク演劇評論家サークル賞、ドラマ・リーグ賞、シアター・ワールド賞など、数多くの演劇賞が存在し、それぞれが演劇界の発展に貢献しています。

ドラマ・デスク・アワードは、今後もニューヨーク演劇界の象徴として、優れた作品と才能を称え続けるでしょう。

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