ドラム (単位)

ドラム（drachm、またはdram）は、ヤード・ポンド法において、体積と質量の両方を表す単位として用いられてきました。

体積の単位としてのドラム

体積の単位としてのドラムは、特に液体の計量に使われ、「液量ドラム（fluid dram）」と呼ばれることもあります。この単位は、液量オンス（fluid ounce）の8分の1と定義されています。ただし、液量オンスの値がイギリスとアメリカで異なるため、ドラムの体積もそれぞれの国で異なる値になります。

具体的には、アメリカにおける1ドラムは正確に3.6966911953125ミリリットル（mL）と定められています。一方、イギリスでは1ドラムは3.5516328125ミリリットルです。しかし、現代のイギリスでは、ドラムは一般的な体積の単位としてはほとんど使用されていません。

質量の単位としてのドラム

質量の単位としてのドラムは、常衡（avoirdupois）、トロイ衡（troy weight）、薬衡（apothecaries' weight）の3つの異なる体系で使用されていました。常衡では、1ドラムはオンスの16分の1に相当します。一方、トロイ衡と薬衡では、1ドラムはオンスの8分の1となります。

ドラムはもともと質量の単位として使われ始めました。その後、ドラムの質量を持つ水の体積を基に、体積の単位としてのドラムが作られました。

ドラムの語源とその他の用法

「drachm」という言葉は、古代ギリシャの銀貨であるドラクマ銀貨に由来します。この銀貨の質量が、後に単位としてのドラムの基準になったと考えられています。

また、「ドラム」という言葉は、日常会話の中で、少量の液体を指す場合や、特にスコッチウイスキーを1杯飲むことを指す場合にも用いられることがあります。この用法は、単位としてのドラムが、少量を測る際に使われていたことの名残と考えられます。

このように、ドラムは歴史的な背景を持ち、様々な意味を持つ単位として使われてきました。

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