常衡

常衡（Avoirdupois System）とは

常衡とは、ヤード・ポンド法における質量の単位系統の一つで、日常生活で広く使われています。英語では「avoirdupois system」と表記され、これは古フランス語の「aveir de peis」（「重量のある商品」の意味）に由来します。この名称は、かつて量り売りされる商品が常衡によって計量されていたことに起因します。

常衡は、トロイ衡や薬衡といった他の質量単位系統とは異なり、特定の分野に限らず一般的に用いられます。常衡の全ての単位はポンドを基準としており、ポンドの分量であるオンスやグレーンについては、それぞれの項目で詳細が説明されます。

国際協定によるポンドの定義

1958年、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカ、イギリス、アメリカの6カ国は国際協定を締結し、1959年7月1日以降、1ポンドを正確に0.453 592 37キロ[[グラム]]と定めました。この値は7で割り切れるため、1グレーンは正確に0.064 798 91グラム（64.798 91ミリグラム）と定義されました。

イギリスにおける常衡

イギリスでは、フランスの系統に14ポンドに相当するストーンという単位が加えられました。このストーンの導入により、クォーター、ハンドレッドウェイト、トンの単位はそれぞれ28ポンド、112ポンド、2,240ポンドとなりました。イギリスの常衡は「long」と呼ばれています。

以下はイギリスの常衡単位とSI単位への換算値（1959年7月1日以降の値）です。

1 グレーン = 1/7000 ポンド = 正確に 64.798 91 ミリグラム
16 ドラム = 1 オンス = 正確に 28.349 523 125 グラム
16 オンス = 1 ポンド = 7000 グレーン = 正確に 0.453 592 37 キロ[[グラム]]
14 ポンド = 1 ストーン = 正確に 6.350 293 18 キロ[[グラム]]
2 ストーン = 1 クォーター = 正確に 12.700 586 36 キロ[[グラム]]
4 クォーター = 1 ハンドレッドウェイト = 正確に 50.802 345 44 キロ[[グラム]]
20 ハンドレッドウェイト = 2240 ポンド = 1 トン = 正確に 1016.046 9088 キロ[[グラム]]

アメリカにおける常衡

北アメリカのイギリス植民地では、イギリスとは異なり、ストーンの単位が入る前の本来の常衡が用いられました。そのため、アメリカではクォーター、ハンドレッドウェイト、トンがそれぞれ25ポンド、100ポンド、2,000ポンドのままです。アメリカの常衡は「short」と呼ばれています。

以下はアメリカの常衡単位とSI単位への換算値（1959年7月1日以降の値）です。

1 グレーン = 1/7000 ポンド = 正確に 64.798 91 ミリグラム
16 ドラム = 1 オンス = 正確に 28.349 523 125 グラム
16 オンス = 1 ポンド = 7000 グレーン = 正確に 0.453 592 37 キロ[[グラム]]
25 ポンド = 1 クォーター = 正確に 11.339 809 25 キロ[[グラム]]
4 クォーター = 1 ハンドレッドウェイト = 正確に 45.359 237 キロ[[グラム]]
20 ハンドレッドウェイト = 2000 ポンド = 1 トン = 正確に 907.184 74 キロ[[グラム]]

まとめ

常衡は、ヤード・ポンド法における質量単位の基本であり、イギリスとアメリカでは異なる体系が存在します。イギリスではストーンという単位が加えられていますが、アメリカではストーンのない元の体系が使用されています。この違いを理解することで、ヤード・ポンド法の単位をより正確に扱うことができます。

関連項目

単位の換算

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