ドラ・ハッ・パー

ドラ・ハッ・パー：藤子不二雄作品の象徴

『ドラ・ハッ・パー』という言葉は、藤子不二雄の代表作である「ドラえもん」、「忍者ハットリくん」、そして「パーマン」の頭文字を組み合わせて作られた造語です。この愛称は1983年から1985年にかけて特番タイトルやキャッチフレーズとして多く用いられており、その時期の藤子アニメの黄金期を象徴するフレーズとして、今なおファンの間で語り継がれています。特に1980年代前半は、藤子アニメの人気が高く、数々の名作が放送されていました。

『ドラ・ハッ・パー』という言葉の一般的な使用は、シンエイ動画版の『パーマン』が放送され始めた1983年春頃から急増しました。当時、山田邦子が藤子アニメの特番の司会を務めた際に、「これは略して『ドラ・ハッ・パー』ですね」という発言をしたことがきっかけとされています。これがきっかけで、多くの人々がこの愛称を認識し、広がりを見せることになりました。

さらに、当時は『ドラ・ハッ・パー』を冠した商品も登場しました。カルビーからは「ドラハッパーチップス」というカード付きスナックが発売され、1985年には『オバケのQ太郎』や『プロゴルファー猿』を加えた「5きげんチップス」まで展開されました。これらの製品は、藤子不二雄の作品の人気を伺わせるものでもありました。

1985年には、藤子不二雄の新たな特番『藤子不二雄ワイド』や『オバケのQ太郎』の第3作が始まるなど、藤子アニメの放送が増加しました。この年、実際の『パーマン』の本放送は終了しましたが、そのリピート放送も行われており、リストアップの際に『ドラ・ハッ・パー』を用いることが難しくなりました。これにより、やがてこの愛称は徐々に使われなくなっていったのです。

1986年から1987年の映画公開では、他の作品を含めたキャッチフレーズが使われ、『ドラ・Q・猿』や『ドラ・魔美・UB』などの新しい表現が登場しました。また、この時期、藤子アニメの特番は単独の作品だけでなく、他のアニメとコラボレーションする形で放送されることが多く、『ドラえもん』を中心にハットリくんやパーマンのキャラクターたちがミニコーナーで共演していました。このようなコラボレーションは、後の『クレヨンしんちゃん』や『あたしンち』など、現在のシンエイ動画の作品に通じるスタイルへと受け継がれています。

ちなみに、松竹芸能にも「ドラハッパー」と名乗るお笑いコンビが存在していました。現在は解散していますが、このコンビ名も『ドラ・ハッ・パー』に由来しています。

このように、『ドラ・ハッ・パー』は藤子不二雄のアニメ作品を愛するファンにとって特別な意味を持つ言葉であり、その時代の文化や流行を反映しています。

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