ドリス・デイ

ドリス・デイの生涯と業績

ドリス・デイ（Doris Day, 1922年4月3日 - 2019年5月13日）は、アメリカ合衆国で活躍した女優であり歌手です。オハイオ州シンシナティ出身で、本名はドリス・メアリー・アン・フォン・カッペルホフ。彼女はドイツ系の家系に生まれ、音楽的な家庭環境の中で育ちました。

幼少期と音楽の道

ドリスの父親は音楽教師でしたが、両親は彼女が10歳の時に離婚しました。ドリスという名前は、サイレント映画の女優ドリス・ケニヨンに由来しています。彼女は幼い頃から歌や踊りに魅了され、バレリーナになることを目指していました。しかし、15歳の時に列車事故に遭い、激しいダンスができなくなり、その夢をあきらめざるを得ませんでした。とはいえ、歌の練習は続け、18歳でジャズバンドのレス・ブラウン楽団に専属歌手として参加することになりました。

初期の結婚と音楽キャリア

その後、バンドのメンバーであるアル・ジョーダンと結婚し、息子テリーをもうけましたが、1942年には離婚。この後、彼女はレスター・ブラウンに提供された楽曲『センチメンタル・ジャーニー』を歌い大ヒットを記録しました。1946年には二度目の結婚をしますが、約8ヶ月で別れることに。離婚後すぐにワーナー・ブラザースのオーディションを受け、映画デビューを果たしました。

映画界での成功

1948年に公開された『洋上のロマンス』でのデビュー以来、ドリス・デイは次々とヒット作を飛ばし、1950年代には多くの映画に出演しました。特に、1953年のミュージカル映画『カラミティ・ジェーン』や、アルフレッド・ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』での『ケ・セラ・セラ』は忘れがたい成功を収めました。彼女は1956年にアカデミー歌曲賞も受賞し、1959年にはアカデミー主演女優賞の候補になりました。

テレビへの転身と動物愛護活動

1968年に夫を失った後、ドリスは映画界から引退し、テレビタレントとしてのキャリアに移行しました。『ドリス・デイ・ショー』は彼女の新たな成功を引き寄せました。しかし、私生活では4度の結婚を経験し、特に1981年には再び離婚を果たしました。

晩年は動物愛護活動に尽力し、カリフォルニア州カーメルに「Doris Day Animal League」を設立。ここでは家庭内ペットの世話に関する教育を行い、動物に優しい社会づくりを目指しました。

最後の年々

2019年5月13日、ドリス・デイは肺炎によりカリフォルニア州の自宅で亡くなりました。享年97歳。彼女の人生は、音楽と映画の双方で多大な影響を与え、多くの人々に愛され続けています。彼女の遺した文化的遺産は、今もなお多くのファンに親しまれています。

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