ドリス・ロバーツ

ドリス・ロバーツ：類まれなる才能と輝かしいキャリア

ドリス・ロバーツ（1925年11月4日 - 2016年4月17日）は、アメリカ合衆国を代表する女優のひとりです。ミズーリ州セントルイスでロシア系ユダヤ人の母親のもとに生まれ、ニューヨークで育ちました。幼少期はグリーンという名字でしたが、義父の名字であるロバーツを生涯使用しました。

彼女のキャリアは1950年代に始まりました。テレビドラマ『Starlight Theatre』（1951年）で女優デビューを果たした後、長年にわたりテレビ界で活躍しました。1961年にはキャロル・ベイカー主演の映画『傷だらけの愛』で映画デビューも飾り、その後も数々の映画、テレビドラマ、舞台作品に出演し、着実にキャリアを築き上げていきます。50年代にはブロードウェイにも進出し、ジェームズ・ココなど著名な俳優たちと共演しました。

ロバーツのキャリアにおいて最も重要な作品として挙げられるのは、エミー賞を受賞したシットコム『HEY!レイモンド』です。この作品で彼女はレイモンドの母親マリー・バローネ役を演じ、そのユーモラスで魅力的な演技が高く評価されました。この役柄を通して、彼女はエミー賞、全米映画俳優組合賞、サテライト賞など数々の賞にノミネートされ、全米映画俳優組合賞アンサンブル賞、テレビガイドアワード、アメリカン・コメディ・アワード、そして4度のエミー賞を受賞するという輝かしい実績を残しました。さらに、プライムタイム・エミー賞には、他の作品を含め11回ノミネートされています。1983年のテレビドラマ『セント・エルスウェア』でもエミー賞を受賞するなど、彼女の演技力は高く評価されました。

その他にも、ピアース・ブロスナンの出世作となったテレビドラマ『探偵レミントン・スティール』への出演でも知られています。テレビドラマでは、母親や義理の母親といった役柄を多く演じ、日本でも人気のあったシットコム『フルハウス』では、ダニー・タナーの母親役を演じました。2003年には、長年にわたる輝かしいキャリアと貢献が認められ、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに選ばれました。

幅広いジャンルと役柄をこなす卓越した演技力、そしてユーモラスなキャラクターで多くの視聴者を魅了したドリス・ロバーツ。2016年4月17日、90歳でこの世を去りましたが、彼女の残した作品は、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。彼女の功績は、アメリカのテレビドラマ史に大きな足跡を残しました。数々の賞に輝いた彼女のキャリアは、後世の俳優たちにとって大きなインスピレーションの源であり続けるでしょう。

主な出演作品には、『HEY!レイモンド』、『探偵レミントン・スティール』、『フルハウス』、『セント・エルスウェア』などがあります。また、アニメーション映画『子ねずみティミーのアドベンチャー The Secret of NIMH 2: Timmy to the Rescue』（1998年）、『フィニアスとファーブ／ザ・ムービー Phineas and Ferb the Movie: Across the 2nd Dimension』（2011年）にも声優として参加しています。彼女の多才さは、映画、テレビ、舞台、そして声優と、その活動範囲の広さからも伺えます。 ドリス・ロバーツは、まさにアメリカのエンターテインメント界を代表するレジェンドと言えるでしょう。

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