ドリフトマッスル

ドリフトマッスル (Drift Muscle)

ドリフトマッスルは、2011年から2017年にかけて開催された日本のドリフト走行競技を中心としたモータースポーツシリーズです。運営を行ったのは株式会社ドリフトエンタープライズであり、元々は全日本プロドリフト選手権（D1グランプリ）の創設者である土屋圭市と稲田大二郎が中心となって立ち上げました。

設立背景

このシリーズは、2010年末にD1グランプリから離脱した土屋と稲田が新たなイベントを立ち上げることを決意したことから始まりました。土屋はビデオマガジン『ホットバージョン』と連携し、同年に株式会社ドリフトエンタープライズを設立。そして、2011年3月5日にドリフトマッスルの発足を正式に公表しました。

レギュレーションと参加資格

ドリフトマッスルでは、審査員として土屋と稲田が参加し、競技車両には公道走行に適した改造を施した「車検が取れる」状態が求められました。安全面を重視し、ロールケージなどの装着が必須でした。シリーズ初年度の2011年においては、参加者は特別なライセンスを持たなくても、適切な安全装備を備えた車両であれば参加できるという緩やかな規定が設けられましたが、2012年以降は順次ライセンス制度が導入されました。

JAFの公認

2013年には日本自動車連盟（JAF）がドリフト競技を公認競技として認定し、新たに「ドリフトマッスルクラブ」が設立されました。この影響を受け、最上位クラスである「スーパーマッスルクラス」はJAF公認のもとで開催されるようになりました。ドリフトマッスルはD1グランプリからの分裂シリーズとして多くの注目を集め、過去にはD1のトップドライバーたちもこのシリーズに参加していました。

クラス構成

ドリフトマッスルには、以下のようなクラスが設けられていました。

• - スーパーマッスルクラス: 2013年に開始された最高峰のクラスで、参加にはJAF国内B級以上のライセンスが必要。
• - マッスルクラス: 2011年から始まり、最初は最高峰クラスであったが、スーパーマッスルクラスが誕生したことにより中級クラスとなった。
• - レディースクラス: 女性のみを対象としたクラスで、2011年から設立。
• - チャレンジクラス: ライセンス不要で参加できる初心者向けのクラス。

開催日程

シリーズは様々なサーキットで開かれ、各シーズンごとに数回のイベントが開催されました。たとえば、2011年には間瀬サーキットや鈴鹿ツインサーキットなどで競技が行われ、その後の年でも名阪スポーツランドや筑波サーキットなど、全国各地でイベントが実施されました。

終息とその後

2018年には新たに『ドリフトキングダム』として改称されましたが、2019年のシーズン終了後にはD1グランプリとの統合が発表され、事実上消滅しました。ドリフトマッスルのシリーズは、ドリフト文化を育む重要な一環として多くのファンやライダーに愛されてきました。

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