ドルフィン (係留施設)

ドルフィン：沖合に浮かぶ係留施設

ドルフィンは、港湾内の水域に杭を打ち込んで作られる係留施設の一種で、沖がかり施設として知られています。係船杭とも呼ばれ、設置された海域は「シー・バース」と呼ばれることもあります。

構造

ドルフィンは、木材、ケーソン、または矢板で作られた柱杭で構成され、陸地から離れた海底に打ち込まれて固定されます。柱杭の上部は水面から出ており、船舶がロープで係留できるようになっています。

通常、ドルフィンは以下の要素で構成されています。

ムアリング・ドルフィン (Mooring Dolphin): 係留ロープをかけるためのもので、ドルフィンの両端に配置されます。
ブレスティング・ドルフィン (Breasting Dolphin): 船舶が接舷する際に衝撃を緩和するためのものです。
荷役プラットフォーム: 荷役作業を行うためのスペースで、通常は中央に配置されます。ブレスティング・ドルフィンは、このプラットフォームを挟むように設置されます。

特徴

ドルフィンは、主にタンカーのように岸壁に接岸する必要のない専用船のために設けられます。代表的な例としては、タンカーが石油を荷役するためのドルフィンが挙げられます。接岸のためのスペースを必要とせず、沖合に設置できるため、大型船の利用に適しています。

メリット:

一定の水深が確保されていれば、短期間で比較的安価に建設できます。
岸壁などの大規模な構造物を必要としないため、建設コストを抑えられます。
大型船が接岸しやすいように、水深を確保しやすい沖合に設置できます。

デメリット:

防波堤などで囲まれていない沖合に設置されることが多いため、風や波浪の影響を受けやすいという欠点があります。
自然条件によっては、荷役作業が中断される可能性があります。
岸壁に比べて、強度が低い場合があります。

まとめ

ドルフィンは、特定の種類の船舶に対して効率的な荷役サービスを提供する重要な港湾施設です。その建設コストの低さと迅速な建設能力は大きな利点ですが、自然条件への対応が課題となります。港湾計画においては、これらの要素を総合的に考慮し、適切なドルフィンを設計・建設する必要があります。

関連項目

港湾
* 係留施設

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