ドルフィンポートの歴史と概要
ドルフィンポートは、
鹿児島県鹿児島市本港新町の
埋立地にあった商業施設で、
2005年4月にオープンし、
2020年3月まで営業を続けました。この施設は、総木造2階建てで、南国の
バンガローを思わせるデザインが特徴的でした。約20の店舗が特産品の直売や飲食業を中心に営業しており、地域の観光名所として多くの人々に親しまれていました。
施設の運営は、地元財界や商業施設の運営会社である鹿児島ウォーターフロント株式会社によって行われており、
1986年から始まった
埋立地の利用計画が
1990年代初頭のバブル崩壊を経て具体化しました。最終的に
山形屋の案が選ばれ、
2003年に設計コンペが実施されました。オープンの2日前には祝賀会と落成式が行われ、多くの関係者が集まりました。
ドルフィンポートは、鹿児島本港の離島航路や
桜島フェリー乗場に近接した立地にあり、イベントが行われる際には賑わいを見せ、多くの来場者を迎えてきました。開業から
2013年までに訪れた人数は約1675万5千人に上ります。また、
2006年には隣接する区画にNHK鹿児島新放送会館がオープンし、地元の情報発信の拠点ともなりました。
閉業と跡地利用計画
2013年には、
鹿児島県がドルフィンポート隣接の県有地に新たな体育施設を建設する計画を浮上させましたが、市民からの反発を受けてこの構想は白紙となりました。その後、ドルフィンポートの賃貸契約が
2020年3月31日に満了したことにより、この施設は閉業しました。テナントの多くはそのまま営業を終了しましたが、『廻る寿司 めっけもん』や『
山形屋フォトスタジオ』などは移転を果たしています。
閉業後、ドルフィンポートの跡地は一時的に月極駐車場として利用されていますが、その利用計画は様々な議論が行われました。
2016年の市長選挙では、サッカー・ラグビースタジアムの建設を目指す案が提案されましたが、その後の知事の反対により宙に浮いた状態が続きました。
2019年には新たな再開発の動きが見られ、ホテルや集客施設の誘致が計画されていますが、新型コロナウイルスの影響で進展は滞り、将来的にはコンベンション施設の整備も視野に入れて検討されています。
2021年には新たな体育館計画について有識者による検討が開始され、2022年には「スポーツ・コンベンションセンター」構想が提出されるなど、跡地の新たな利用に向けた具体的な動きが進められています。
施設内のテナント
ドルフィンポートには、さまざまなテナントが入居しており、以下のような店舗が存在しました:
1階
- - 薩摩工芸館
- - てもみん
- - 故郷市場
- - 薩摩酒蔵
- - ファミリーマート(鹿児島銀行ATM併設)
- - ドルフィンホール
- - サンドリーズ
- - 足湯
2階
- - チャペルプティブランシェ
- - 山形屋ブライダルサロン
- - ひぃふぅみぃ
- - レストラン
また、新たにオープンした店舗やイベントスペースも多くあり、地元の文化やイベントも体験することができました。特に、NHK大河ドラマ『篤姫』にちなんだ「篤姫館」や、美人ビアガーデンなどが人気を博しました。
交通アクセス
ドルフィンポートへのアクセスは、南国交通や
鹿児島市営バスなど複数の路線が利用可能でした。ドルフィン号を利用することで、鹿児島中央駅や
天文館から直接訪れることができ、多くの来場者にとって便利な交通手段となっていました。
このようにドルフィンポートは、地域の経済や文化の中心地として重要な役割を果たしてきました。その跡地にどのような施設が新たに生まれるのか、今後の発展が期待されています。