ドレスデン条約

ドレスデン条約：第二次シュレージエン戦争の終結

ドレスデン条約は、1745年12月25日に締結されたオーストリア継承戦争における講和条約であり、プロイセンとオーストリア、ザクセンの間で結ばれました。この条約によって、第二次シュレージエン戦争は終結し、ヨーロッパの勢力図に大きな影響を与えました。

条約締結の背景

ケッセルスドルフの戦いでプロイセン軍が勝利し、ドレスデンを占領したことが、条約締結の大きなきっかけとなりました。プロイセン王フリードリヒ大王はドレスデンに入り、有利な状況で交渉を進めることができました。また、イギリスが両国間の講和を熱心に仲介したことも、条約締結を後押ししました。ザクセンの戦争継続が困難になったことで、オーストリアのマリア・テレジアも講和を受け入れざるを得なくなり、フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハラハをドレスデンに派遣して大王との交渉に当たらせました。

条約の内容

ドレスデン条約の内容は、主に以下の通りです。

1. プロイセン、オーストリア、ザクセンの3か国は相互に戦争を終結させる。
2. オーストリアは1742年のブレスラウ条約を改めて承認する。
3. ザクセンはプロイセンに100万ターラーの賠償金を支払う。
4. プロイセンはフランツ1世の神聖ローマ皇帝即位を承認する。

これらの条項により、プロイセンはシュレージエンの領有を確定させ、オーストリアは神聖ローマ皇帝位を確保することができました。また、ザクセンは賠償金を支払うことで、戦争の責任を負うこととなりました。

条約の意義

ドレスデン条約は、プロイセンの勢力拡大を決定づける重要な条約となりました。フリードリヒ大王は、この条約によってシュレージエンを確保し、プロイセンをヨーロッパの強国としての地位を確立しました。また、オーストリアにとっては、神聖ローマ皇帝位を維持することができたものの、シュレージエンを失ったことは大きな痛手となりました。この条約は、その後のヨーロッパの勢力均衡に大きな影響を与え、七年戦争などの新たな紛争の火種ともなりました。

参考資料

S.フィッシャー＝ファビアン 著＼尾崎賢治 訳『人はいかにして王となるか』Ⅰ、Ⅱ（日本工業新聞社、1981年）
林健太郎、堀米雇三 編『世界の戦史6 ルイ十四世とフリードリヒ大王』（人物往来社、1966年）
アン・ティツィア・ライティヒ 著＼江村洋 訳『女帝マリア・テレジア』（谷沢書房、1984年）
Thomas Carlyle PEACE OF DRESDEN: FRIEDRICH DOES MARCH HOME
* de:Frieden von Dresden (09:35, 13. Mär. 2009 UTC)

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