第二次シュレージエン戦争

第二次シュレージエン戦争：プロイセンとオーストリアの領土を巡る戦い

第二次シュレージエン戦争（1744年 - 1745年）は、シュレージエン地方の支配権を巡り、プロイセン王国とオーストリアの間で繰り広げられた戦いです。この戦争は、広範なオーストリア継承戦争の一部であり、ヨーロッパの勢力均衡に大きな影響を与えました。

戦争の背景

第一次シュレージエン戦争（1740年 - 1742年）の結果、プロイセンはシュレージエンを獲得しましたが、オーストリアのマリア・テレジアはこれを深く恨んでいました。オーストリアは、他の戦線での勝利により勢力を増し、シュレージエン奪還の機会を伺っていました。プロイセンのフリードリヒ大王は、オーストリアの脅威を認識し、先制攻撃を計画しました。

戦争の勃発

1744年、フリードリヒ大王は、オーストリア軍がライン川を渡りフランス領に侵攻した隙をつき、ベーメン（現在のチェコ）に侵攻しました。これは、オーストリア軍をシュレージエンから引き離し、自国の安全を確保するための戦略的行動でした。プロイセン軍はプラハを占領し、南下を開始しましたが、補給の問題やオーストリア軍の反撃により、撤退を余儀なくされました。

主な戦闘と戦略

1744年の戦役: プロイセン軍はベーメンに侵攻しプラハを占領するも、補給難とオーストリア軍の抵抗により撤退。
ホーエンフリートベルクの戦い（1745年): プロイセン軍がオーストリア・ザクセン連合軍に大勝。しかし、フリードリヒ大王は追撃せず、和平交渉を模索。
ゾーアの戦い（1745年): オーストリア軍がプロイセン軍に奇襲をかけるも、プロイセン軍が勝利。
ケッセルスドルフの戦い（1745年): 老デッサウ率いるプロイセン軍がザクセン軍に勝利。

フリードリヒ大王は、敵を領内に誘い込み、会戦で決着をつける戦略を採用しました。一方、オーストリア軍は、軽騎兵による補給線の遮断や、焦土作戦によりプロイセン軍を苦しめました。

ドレスデン条約とその後

1745年12月、プロイセンはザクセンに侵攻し、ドレスデンを占領しました。これにより、オーストリアはプロイセンとの和平交渉に応じざるを得なくなり、ドレスデン条約が締結されました。この条約により、プロイセンはシュレージエンの領有を再確認し、オーストリアはプロイセンのフランツ・シュテファンの皇帝即位を承認しました。

戦争の影響

第二次シュレージエン戦争は、プロイセンの軍事力とフリードリヒ大王の戦略的手腕をヨーロッパに示す結果となりました。プロイセンはシュレージエンを確保し、ヨーロッパの主要な勢力としての地位を確立しました。しかし、オーストリアとの対立は解消されず、後の七年戦争へと繋がっていきます。

この戦争は、ヨーロッパの勢力均衡に大きな影響を与え、プロイセンとオーストリアの関係、そしてその後のヨーロッパの政治情勢を大きく左右することになりました。

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