ドロシー・ラウンド

ドロシー・イーディス・ラウンド・リトルの生涯

ドロシー・イーディス・ラウンド・リトル（Dorothy Edith Round Little）は、1908年7月13日にイングランド・ウースターシャーで誕生しました。彼女は1930年代に多くの素晴らしい業績を残した女子テニス選手であり、その中でも特にウィンブルドン選手権での勝利が記憶されています。ドロシーは4大大会での女子シングルスにおいて通算3勝を挙げ、ウィンブルドンでは2度のシングルス優勝と3度の混合ダブルス優勝を成し遂げました。

彼女がウィンブルドン女子シングルス決勝に初めて出場したのは1933年のことで、このとき最強選手とされていたヘレン・ウィルス・ムーディに対してフルセットの接戦を繰り広げました。結果としては敗北を喫しましたが、彼女の挑戦は高く評価され、以降のシーズンでの活躍に影響を及ぼしました。1934年には再びウィンブルドン女子シングルスの決勝に進出し、このときはヘレン・ジェイコブスを下して見事に初優勝を飾ります。

特筆すべきは、同年の混合ダブルスでの成果です。ドロシーは日本のテニス選手、三木龍喜とペアを組み、全試合を勝ち抜き、決勝で英国のペアを破り優勝を果たしました。三木はこの勝利によって、日本人選手として初めての4大大会制覇を果たし、彼女たちのペアは当時日本で大きな注目を浴びました。

1935年の全豪選手権でも成功を収め、イギリスのナンシー・ライルを破り4大大会シングルスの2冠を獲得しました。混合ダブルスでは翌1936年、フレッド・ペリーと組むことで連覇を重ね、合計で3連覇を達成しました。これにより、ドロシーの名はさらに広まりました。

1937年、ドロシーはウィンブルドン選手権の女子シングルス決勝に再び進出しました。この決勝ではポーランドのヤドヴィガ・イェンジェヨフスカと対戦し、最終セットでは一時リードを許しますが、見事な逆転で勝利を手にしました。この優勝により、彼女はウィンブルドンでの2度目の女子シングルスタイトルを獲得し、名声を高めました。

私生活では、ラウンドはダグラス・リトルと結婚し、改名してドロシー・ラウンド・リトルとして知られるようになりました。1982年11月12日、彼女はイギリスのキダーミンスターで74歳で亡くなりました。彼女の業績は死後も評価され、1986年には国際テニス殿堂に迎え入れられました。

ドロシー・ラウンド・リトルは、女子テニスの歴史に名を刻む選手であり、彼女の挑戦と成功は今でも多くの人に語り継がれています。彼女のスポーツキャリアは、同時代の他の選手たちにとっても大きな刺激となり、後の世代の選手たちにも影響を与える存在でした。

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