ドロップキック

ドロップキックとは

ドロップキック（Dropkick）は、プロレスにおいて非常に人気のある攻撃技の一つで、蹴り技や飛び技に分類されます。この技は、レスラーが空中に飛び上がり、両足の裏を使って相手を強力に蹴るというシンプルでありながら迫力のある動作が特徴です。

メキシコでは「パターダ・ボラドーラ」という名称で呼ばれ、これは「飛び蹴り」を意味しています。技を決める際には、レスラーは自らの身体を巧みに使い、立ったままの相手や走って来る相手に対して効果的に仕掛けることができます。

技のかけ方とタイミング

ドロップキックは、ジャンプした際に両膝を折り畳むようにして地面を蹴り、鋭く足を突き出して相手の胸部や顔面を狙います。この技のタイミングとしては、以下のようなシチュエーションが考えられます。

• - 立っている相手にその場で跳び上がって蹴る
• - 走りながら相手に向かって蹴る
• - 相手の攻撃をかわし、カウンターで蹴る
• - コーナー最上段から相手に飛びかかっていく

ドロップキックの種類

正面飛び式

正面に飛び上がり、着地後は後ろ受け身をとるシンプルな形状。昔のレスラーが好んで使ったスタイルです。

スクリュー式

捻りを加えた形で、両足で相手を蹴り付けた後に前受け身をとれるため、瞬時に立ち上がり連続で技を繰り出すことが可能です。これが現在主流の形となっています。

1回転式

キックを決めた後、後方に1回転して受け身を取るスタイルは特に跳躍力をアピールします。

低空式

立った相手の下半身や四つん這いの相手を狙うバリエーション。特に有名なのは武藤敬司の使い方です。

串刺し式

コーナーに寄りかかる相手に対して走って跳び、技を放つスタイルです。

その他

この他にも多くの変則的なスタイルや派生技があります。例えば、コーナー最上段から放つ「ミサイルキック」や、特にアントニオ猪木が得意とした「カンガルーキック」などがあります。

著名な使い手

ドロップキックに秀でたレスラーは数多く存在します。アメリカではペドロ・モラレスやパット・オコーナーなどがありますが、日本でも遠藤幸吉や吉村道明、さらには三沢光晴などが手腕を振るっています。特に三沢は、ヘビー級選手でありながら多彩なドロップキックを駆使したことで知られています。

女子プロレスラーでは豊田真奈美が正面飛び式を多用し、藤本つかさやつくしのタッグチームもこの技を得意としています。彼らは「ドロップ・キッカーズ」と名付けられています。

文化的影響

ドロップキックはプロレスのパフォーマンスだけでなく、他のスポーツやメディアにも影響を与えています。音楽界ではMr.Childrenの楽曲に登場し、またお笑い芸人や特撮ヒーローものでも見られる技です。

まとめ

ドロップキックは、そのダイナミックな動きと多彩なバリエーションでプロレスにおいて重要な役割を果たしています。各選手がその技に独自のアレンジを加え、観客を魅了してやまない魅力的なテクニックです。

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