ドン・ワカマツ

ウィルバー・ドナルド・ワカマツの生涯



ウィルバー・ドナルド・ワカマツ(Wilbur Donald "Don" Wakamatsu)は、1963年2月22日にアメリカ合衆国オレゴン州フッドリバーで生まれました。日系アメリカ人4世として、野球界でその名を刻んだ人物です。彼のキャリアは選手としてだけでなく、指導者としても多岐にわたり、メジャーリーグにおける日系アメリカ人のパイオニアとしての役割も果たしました。

生い立ちとアマチュア時代


ワカマツの父親は日系3世、母親はアイルランド系アメリカ人です。カリフォルニア州ヘイワード高校時代には、アメリカンフットボールと野球の両方をプレイしていましたが、体格的な理由から野球の道に進むことを決意しました。アリゾナ州立大学に進学後は、バリー・ボンズらと共にプレーし、捕手として3年連続でオール・パック・テンに選出されるなど、その才能を開花させました。1984年のMLBドラフトではニューヨーク・ヤンキースから指名を受けたものの、契約には至りませんでした。

プロ選手としてのキャリア


1985年のMLBドラフトシンシナティ・レッズから指名を受け、プロ入りを果たします。しかし、現役時代は主にマイナーリーグでの活動が中心でした。1991年にはシカゴ・ホワイトソックスで18試合に出場しましたが、そのほとんどは控え捕手としての役割でした。特筆すべきは、先発出場した9試合全てでナックルボーラーのチャーリー・ハフが相手投手だったという点です。1995年からはマイナーリーグでコーチ兼任となり、1996年に現役を引退しました。

指導者としてのキャリア


引退後、ワカマツは指導者としてのキャリアをスタートさせます。1997年にルーキー級の監督に就任したのを皮切りに、1998年にはA+級ハイデザート・マーベリックスの監督として、マネージャー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。その後も、AA級の監督を歴任し、2001年にはアナハイム・エンゼルスのマイナー巡回捕手コーチに就任しています。マイナーリーグ監督としての通算成績は215勝248敗でした。

2003年にはテキサス・レンジャーズのベンチコーチに就任し、2006年には監督代行を2試合務めました。2007年には三塁ベースコーチ、2008年にはオークランド・アスレチックスのベンチコーチを歴任しています。

MLB監督としての挑戦


2008年11月19日、ワカマツはシアトル・マリナーズの監督に就任し、日系アメリカ人として初のMLB監督となりました。しかし、チームは2010年シーズン途中に成績不振に陥り、7月に42勝70敗という成績で解任されました。

その後、2011年にはトロント・ブルージェイズのベンチコーチ、2013年にはニューヨーク・ヤンキースのスカウト、2014年にはカンザスシティ・ロイヤルズのベンチコーチを歴任しました。また、2014年オフにはタンパベイ・レイズの新監督候補にも名前が挙がりましたが、実現には至りませんでした。

2018年にはテキサス・レンジャーズのベンチコーチに復帰。同年9月には監督解任に伴い、監督代行としてチームを指揮しました。しかし、シーズン終了後には再びベンチコーチに戻り、2021年に成績不振の責任を問われ、コーチを解任されました。

人物像と家族


ワカマツは、日系アメリカ人としてのルーツを大切にしています。彼の父親は、第二次世界大戦中に日系アメリカ人が収容されていたトゥーリーレイク収容所の出身です。また、彼の二人の息子も野球選手として活躍しています。長男のジェイクはマイナーリーグでプレーし、次男のルークは日本プロ野球の中日ドラゴンズで育成選手としてプレーしています。

まとめ


ウィルバー・ドナルド・ワカマツは、選手、指導者、監督としてメジャーリーグの歴史に名を刻んだ人物です。日系アメリカ人として初のMLB監督を務めただけでなく、長年にわたり野球界に貢献し続けています。彼のキャリアは、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

詳細情報



年度別打撃成績


(データは省略)

年度別守備成績


(データは省略)

年度別監督成績


(データは省略)

背番号

47(1991年)
18(2003年 - 2007年)
16(2008年)
22(2009年 - 2012年、2014年 - 2017年)
23(2018年 - )


関連情報


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外部リンク


選手の通算成績と情報 MLBESPNBaseball-ReferenceFangraphsThe Baseball CubeBaseball-Reference (Register)
* 監督の通算成績と情報 Baseball-reference.com

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