ドヴィエナザット・アポストロフ (海防戦艦)

ドヴィエナザット・アポストロフ

ドヴィエナザット・アポストロフ（ロシア語：Двенадцать апостолов）は、ロシア帝国海軍によって建造された海防戦艦です。この艦の名前はキリスト教の「十二使徒」を意味します。これは、黒海艦隊のために建造された艦で、前の「インペラトール・アレクサンドルII世級」の系譜に属しています。

概要

本艦は唯一の艦として設計され、前級に比べ2基の連装砲を持ち、火力が倍増しました。主砲と副砲の配置は、装甲艦のスタイルを引き継ぎつつも、より近代的な前弩級戦艦に近い設計となっています。

艦形

この艦の外見は、当時主流の平甲板型の船体を持っており、艦首の水面下には衝角が装備されています。艦首甲板には、1877年型30.5 cm砲を搭載した連装砲架があり、厚い305mmの装甲で守られていました。艦橋は箱形で司令塔を下部に組み込み、両側には船橋が設けられています。加えて、艦の中央部には装甲で覆われた見張り所と、前方に単脚檣が立っています。

後部構造には、2本の煙突があり、煙突の周囲には計8本の通風筒が立っています。また、煙突の周辺には艦載艇を置くスペースが設けられ、ジブ・クレーンが装備されています。1897年には、煙突の高さ不足を改善するためへの改修工事が行われました。

艦体の中央部には舷側に砲郭が設置され、前級の22.9cm砲に代わって、最新の15.2cm砲が採用されました。このように、火力の強化が図られており、前向きには最大で30.5cm砲2門、15.2cm砲2門が指向できる配置となっています。

主砲とその他の武装

本艦の主砲には、前級同様に1877年型30.5cm砲を採用しました。この砲は331.7kgの弾を仰角15度で9,150mの射程を持ち、露砲塔に収納されます。俯仰能力は、上が15度、下が5度で、旋回角度は左右100度となっています。装填作業は主に蒸気機関に依存しており、一部には人力が必要です。このため、発射速度は4分に1発にとどまりました。

副砲として搭載された15.2cm砲も同様に前級から引き継がれ、仰角12度で7,470mの射程を誇ります。発射速度は1分に1発で、実際の旋回角度には制限が存在します。

文献参考

本艦に関する情報は、以下の文献に基づいています。

• - 「世界の艦船増刊第35集　ロシア／ソビエト戦艦史」（海人社）
• - 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」（Conway）

関連項目

• - ソ連・ロシア海軍艦艇一覧
• - 戦艦一覧
• - 映画『戦艦ポチョムキン』：本艦は廃艦となった後、撮影に使用されました。

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