ドーターボード

ドーターボード：パソコンを支える小さな基板

パソコン内部には、様々な機能を実現するための多くの基板が搭載されています。その中でも、ドーターボードは重要な役割を担っています。ドーターボードとは、主にパソコンで使用される小型のプリント基板で、より大型のマザーボード（メイン基板）に接続され、追加機能を提供するものです。

マザーボードとの関係性

ドーターボードは、マザーボードに付属的に使用されるため、しばしば「娘基板」と比喩的に表現されます。マザーボードを「母」とすれば、ドーターボードは「娘」という関係性です。この比喩的な表現から、ドーターボードという名称が定着しました。ドーターボードはマザーボードに接続することで、その機能を拡張します。

ドーターボードの種類と用途

ドーターボードは、その用途や設計によって様々な種類があります。例えば、国ごとの規格の異なるモデムを別基板としてモジュール化することで、国際展開を容易にするためのオプション基板として使用されるものもあります。また、音質向上を目的として音声回路のアナログ部分を独立した基板にする場合にもドーターボードが用いられます。

さらに、拡張スロットのみを備えたドーターボードは、ライザーカードと呼ばれ、汎用の拡張カードを装着するために使用されます。これにより、マザーボードへの拡張性を高めることが可能です。

ドーターボードは、マザーボードとの接続方法も様々です。ピンコネクタ、ケーブル、エッジコネクタなど、製品や企業によって異なるインターフェースが用いられます。これらのインターフェースは、一般的に汎用性はなく、特定の製品やシステムに専用設計されていることが多いです。

ドーターボードと拡張カードの違い

ドーターボードと拡張カードは、機能面で類似点があるため混同されることもありますが、明確な違いがあります。拡張カードは、標準規格のインターフェースを用いて様々な機器を接続できる汎用性の高いものです。一方、ドーターボードは、特定のマザーボードに接続するために設計された専用基板であり、汎用性は低い傾向があります。

ドーターボードの利点

ドーターボードを使用する利点としては、製品のバリエーションを容易に増やすことができる点が挙げられます。例えば、特定の地域向けの機能をドーターボードとして別途用意することで、マザーボード本体の設計変更を最小限に抑えながら、多様な製品ラインナップを提供できます。また、電気的または物理的な設計上の都合により、プリント基板を分割する必要が生じた場合にも、ドーターボードが有効です。複雑な回路を複数の基板に分割することで、設計、製造、修理の容易性が向上します。

まとめ

ドーターボードは、パソコン内部において、マザーボードの機能を拡張するための重要な構成要素です。その用途や設計は様々であり、製品のバリエーションを増やすためのオプション基板として、あるいは設計上の都合による分割基板として使用されます。マザーボードとの接続方法も多様であり、製品や企業によって異なるインターフェースが用いられます。ドーターボードは、パソコンの機能拡張に大きく貢献する、不可欠な存在といえます。

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