ドーパミン作動性ニューロンとは？意味をやさしく解説

ドーパミン作動性ニューロン

ドーパミン作動性ニューロンは、神経伝達物質であるドーパミンを放出する神経細胞であり、脳内の様々な機能に関与しています。哺乳類においては、その局在と機能に基づいて、以下のように分類されています。

赤核後方部 (RRF) に位置し、中脳辺縁系に投射するドーパミン作動性ニューロンです。A10細胞群とともに大脳辺縁系に情報を伝達し、中脳辺縁系を構成します。

黒質緻密部 (SNc) に位置し、中脳線条体投射を行います。運動制御において重要な役割を果たしており、パーキンソン病の発症との関連が知られています。一部はA10細胞群とともに前頭前皮質に投射し、中脳皮質系を構成します。

腹側被蓋野 (VTA) に位置し、中脳辺縁系に投射するドーパミン作動性ニューロンです。報酬系において中心的な役割を果たし、意欲や快感に関与しています。

尾側中脳間脳水道周囲灰白質 (PAG) に位置するドーパミン作動性ニューロンです。A13, A14細胞群とともに視床下部に投射し、また脊髄側角に投射して視床下部脊髄路を構成します。

弓状核に位置し、正中隆起、下垂体中間葉、下垂体後葉に投射します。隆起漏斗ドーパミン作動系を構成し、ホルモン分泌の調節に関与しています。

不確帯 (ZI) に位置するドーパミン作動性ニューロンです。A11細胞群の一部とともに視床下部に投射し、不確帯視床下部ドーパミン作動系を構成します。

視床下部に位置するドーパミン作動性ニューロンです。A11細胞群の一部とともに視床下部に投射し、不確帯視床下部ドーパミン作動系を構成します。

視床下部に位置するドーパミン作動性ニューロンです。

嗅球の periglomerular cellに位置します。

網膜に位置するドーパミン作動性ニューロンです。網膜の機能調節に関与しています。

ドーパミン作動性ニューロンは、運動制御、報酬系、内分泌調節、認知機能など、脳の様々な機能に関与しています。これらのニューロンの機能不全は、パーキンソン病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) などの神経精神疾患の発症に関与することが知られています。