ナイアガラ (映画)

映画『ナイアガラ』解説：マリリン・モンローが彩る愛と裏切りのスリラー

『ナイアガラ』（原題：Niagara）は、1953年に公開されたアメリカのスリラー映画です。ヘンリー・ハサウェイが監督を務め、マリリン・モンロー、ジョゼフ・コットン、ジーン・ピーターズが主演を務めました。マリリン・モンローにとっては初のカラー映画であり、テクニカラーによる鮮やかな映像が彼女の魅力を一層引き立てています。

概要

映画の舞台は、その壮大な景観で知られるナイアガラの滝。新婚旅行で訪れた若い夫婦が、そこで出会う人々と、ある夫婦の愛憎劇に巻き込まれていく様子を描いています。モンローは本作で、「モンロー・ウォーク」と称される独特な歩き方を披露し、観客を魅了しました。彼女の後ろ姿を捉えた長い歩行シーンは、映画史に残る名場面として語り継がれています。

ストーリー

ナイアガラの滝を臨むロッジに滞在するローズ（マリリン・モンロー）は、夫のジョージ（ジョセフ・コットン）が過去に精神科病院に入院していたことを、新婚旅行中のカトラー夫妻にほのめかします。ローズは若い愛人パトリックと密会を重ねており、新妻ポリー（ジーン・ピーターズ）は偶然その現場を目撃してしまいます。ジョージはローズが愛するレコードを破壊し、彼女の派手な服装を嫌悪するなど、夫婦の関係は冷え切っていました。

ある夜、ナイアガラの滝がライトアップされる中、ジョージはカトラー夫妻に自身の不遇な人生を嘆きます。翌日、ローズはパトリックと共謀し、ジョージを事故に見せかけて殺害しようと企てますが、逆にパトリックがジョージに殺されてしまいます。何も知らないローズは警察に夫の捜索を依頼しますが、死体安置所で愛人の遺体を発見し、ショックで気を失います。一方、ジョージはロッジを替わったポリーを襲おうとするなど、狂気を露わにしていきます。ローズの計画に気づいていたジョージは、シカゴへ逃亡を図るローズを追い詰め、物語は衝撃的な結末を迎えます。

キャスト

ローズ：マリリン・モンロー（吹替：）
ジョージ：ジョセフ・コットン（吹替：*）
ポリー・カトラー：ジーン・ピーターズ（吹替：*）
レイ・カトラー：（吹替：）

スタッフ

監督：ヘンリー・ハサウェイ
製作：チャールズ・ブラケット
脚本：チャールズ・ブラケット、ウォルター・ライシュ、リチャード・L・ブリーン
音楽：ソル・カプラン
撮影監督：ジョセフ・マクドナルド
編集：バーバラ・マクリーン
美術：ライル・R・ウィーラー、モーリス・ランスフォード
装置：ステュアート・A・ライス
衣装監督：チャールズ・ルメイアー
衣装デザイン：ドロシー・ジーキンズ

トリビア

当初、ポリー・カトラー役はアン・バクスターが演じる予定でしたが、降板したためジーン・ピーターズが代役を務めることになりました。バクスターの降板に伴い、マリリン・モンローの存在感をより際立たせるように内容が変更されたというエピソードがあります。

まとめ

『ナイアガラ』は、マリリン・モンローの美しさと演技力、そしてナイアガラの滝という壮大なロケーションが融合した、見応えのあるスリラー映画です。愛、裏切り、嫉妬、そして狂気が絡み合う物語は、観る者を最後まで飽きさせません。モンローファンならずとも、一度は観ておきたい作品と言えるでしょう。

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