ナイアド (軽巡洋艦)

ナイアド (HMS Naiad, 93)

ナイアドは、イギリス海軍の軽巡洋艦であり、ダイドー級に属する艦船である。艦名はギリシャ神話の水の精であるナーイアスにちなんで名付けられた。ナイアドは第二次世界大戦の激闘の中で活躍し、最終的には悲劇的な運命を辿った。

艦歴

ナイアドの起工は1937年8月26日で、ホーソーン・レスリー・アンド・カンパニーで建造が始まった。1940年7月24日に竣工し、就役後は本国艦隊に配属された。船は当初、様々な任務に従事し、海上の安全を確保するための重要な役割を果たした。

ビスケー湾の展開

就役初期の1940年11月、ナイアドはドイツのポケット戦艦「アドミラル・シェーア」の捜索任務に参加した。この任務では、巡洋戦艦「フッド」、「レナウン」、「レパルス」などと共にビスケー湾に展開し、敵の動向を観察した。11月16日には、ヤンマイエン島沖でドイツの気象観測船を撃沈する成功を収めた。

戦闘任務の増加

1941年1月には、WS5B船団の護衛任務に従事し、同時期にドイツ戦艦「グナイゼナウ」や「シャルンホルスト」に対抗するため本国艦隊が出撃した。この時、ナイアドはアイスランドの南方で一時的にドイツの戦艦を発見するという成果を上げている。

その後、1941年5月にはMD4作戦に参加するため地中海に進出し、アレクサンドリアへの増援に向かう。5月後半からはクレタ島の戦いに関与し、6月にはシリアとレバノンでのフランス軍との戦闘に参加した。特に6月23日、ベイルートの封鎖任務の中でフランス駆逐艦「ゲパール」と交戦し、艦隊の任務を全うした。

マルタへの補給作戦

1942年1月の初めには、マルタへの補給作戦MF2、MF3、MF4に参加し、その後も同様の作戦MF5にも従事した。これらの作戦は、枢軸国に対する重要な補給線の確保を意図したものであり、ナイアドの役割は非常に重要であった。

悲劇的な最期

1942年3月9日、イギリス艦隊はイタリアの巡洋艦が雷撃を受け損傷したとの情報を得て、ナイアドを旗艦にアレクサンドリアを出撃した。しかし、この情報は誤りであり、帰途に就く途中の3月11日、ナイアドはドイツの潜水艦「U565」による雷撃を受け沈没してしまった。この攻撃により、艦の乗員82人が命を失うという悲劇に見舞われた。ナイアドの沈没は、イギリス海軍にとって大きな損失であり、艦隊の士気に影響を与える要因となった。

関連項目

ナイアドの敗北は、第二次世界大戦中のイギリス海軍の艦艇の喪失の一部として位置づけられており、その歴史は海軍の戦術や戦略にも影響を与えた。

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