ナイツ・ダーク・テラー

ナイツ・ダーク・テラー (Night's Dark Terror)

「ナイツ・ダーク・テラー」は、ダンジョンズ&ドラゴンズ (D&D) のファンタジーロールプレイングゲーム用アドベンチャーモジュールです。Jim Bambra、Graeme Morris、Phil Gallagher によってデザインされ、D&Dベーシック・セットからD&Dエキスパート・セットへの移行を目的として作られました。プレイヤーは農場から出発し、未知の荒野を探索しながら、新たな脅威に立ち向かい、秘密結社との戦いを繰り広げます。

プロット概要

プレイヤーキャラクターは、カラメイコス大公国から混沌とした土地へ、川や山を越えて旅をします。道中では、ゴブリンに包囲された町や廃墟、失われた谷などに遭遇します。このモジュールは、ダンジョンマスター (DM) が野外での冒険を円滑に進められるよう、天候に関する新しいルールや、11種類の新しいモンスターのデータを提供します。また、町での戦闘で使用できる戦闘マップとカウンターも付属しています。

このモジュールには、カラメイコス大公国東部の詳細な地図が含まれています。ホワイトドワーフ誌のレビューアーである Jim Bambra によると、モジュール内の多くのアクションは、「アイアンリング」と呼ばれる秘密結社と深く関わっています。プレイヤーは、包囲された農場から冒険を開始し、20,000平方マイル (52,000 km2) を超える広大な野外を探索します。そこには、小さなダンジョンや廃墟の町、川岸の村、辺境の町、そして失われた谷などが点在し、アイアンリングの手先が常にプレイヤーを待ち受けています。

出版履歴

B10 Night's Dark Terror は、1986年に TSR 社から出版されました。64ページのブックレットに、地図とカウンターシートが付属し、2つのカバーアートで彩られています。著者は Jim Bambra、Graeme Morris、Phil Gallagher で、制作は TSR UK Ltd. が担当しました。このモジュールは、「2レベルから4レベル向けの、ベーシックからエキスパートへの特別な移行モジュール」として位置づけられ、D&Dベーシック・セットからD&Dエキスパート・セットへの移行を支援する役割を担っています。

モジュールには、56ページのブックレットに加え、大きな両面折り畳みマップ、小さめのカラーマップシート、そして正方形に切り込みが入ったカウンターシートが含まれています。マップは22インチ×34インチの大きさで、厚紙製のカウンターは Battlesystem サプリメントと組み合わせて使用することを想定しています。カバーアートは Brian Williams、内部アートは Helen Bedford が担当しました。

評判

Graeme Davis は、ホワイトドワーフ誌78号で Night's Dark Terror をレビューし、農場での冒険の始まりを高く評価しました。25mmスケールのマップとカウンターを使ってアクションを表現するアイデアを称賛し、「これらはパーティーがしばらくの間、最速で動き続けるのに十分であり、さらに冒険のためのセクションの提案は、DMがこのエリアで長期間のキャンペーンを開く助けになる」と述べました。Davis は、モジュール内の場所の番号システムが混乱を招く可能性があることを指摘しましたが、全体的にはレイアウトと文章が優れており、DM が「エキスパート」ルールを習得するのに役立つと評価しました。

Ken Rolston は、ドラゴン誌124号（1987年8月）で Night's Dark Terror を要約し、「今まで見た中で最高のイラストと最高のデザインのモジュールであり、冒険やキャンペーンの材料のどの部分も、グラフィック表示が注目に値する」と述べました。

Lawrence Schick は、1991年の著書 Heroic Worlds において、このアドベンチャーを「傑出した野外シナリオであり、D&Dのベーシック・ルールとエキスパート・ルールとの橋渡しになる」と評価しました。

日本語版

1996年には、当時 D&D の翻訳権を持っていたメディアワークスから、電撃ゲーム文庫レーベルで D&Dゲームシナリオ3 として出版されました。翻訳と構成は安田均とグループSNE が担当し、イラストは中沢一登をはじめとする日本人によって描き下ろされたものに差し替えられました。文庫本のため、カウンターシートや大型マップは付属しませんが、農場で使用する地図やカウンターが巻頭に折り込みで収録されており、拡大コピーして使用できるようになっています (ISBN 4-07-304585-7)。

もう一度検索