ナイト・チャイルド

ナイト・チャイルド（1972）

『ナイト・チャイルド』（原題：What the Peeper Saw、またはNight Hair Child）は、1972年に公開されたサイコ・サスペンス映画です。早熟な少年による異常行動に追い詰められていく義母の恐怖を描いています。

あらすじ

作家のポールは、パリで出会ったエリゼを後妻に迎え、マドリード郊外で暮らし始めます。ポールには、亡くなった先妻サラとの間にマーカスという息子がいました。マーカスは普段、寄宿学校に通っていますが、水疱瘡の流行により学期が繰り上げ終了となり、ポールの家でエリゼと初めて顔を合わせることになります。

物静かながらも、大人をじろじろと観察するマーカスの視線に、エリゼは言いようのない不気味さを感じます。ほどなくして、エリゼの身の回りで、机の中からお金がなくなったり、郵便物の一部が紛失したりといった不可解な出来事が頻発するようになり、彼女は不安を募らせます。パリから帰宅したポールに相談しますが、彼はサラの死から立ち直れないエリゼの精神的な問題だと取り合いません。

再びポールがパリへ発つと、エリゼはマーカスの通う学校の校長に相談し、彼が過去に奇行が原因で放校処分を受けていた事実を知ります。さらに、ポールの知人宅でのパーティーで、サラの死が事故ではなく殺人であるという噂を耳にし、ポールに真相を尋ねますが、彼は曖昧な返答に終始します。

サラの友人ソフィから、2年前のマーカスの誕生日に、サラが入浴中に浴槽の蛇口に細工がされ感電死したこと、ポールが事件後すぐに家を売り払いマドリードへ移住したことを聞かされます。それ以来、エリゼは恐怖に苛まれノイローゼとなり、アルコールに溺れるようになります。そして、マーカス本人からサラを殺害した事実を告白され、エリゼは絶望の淵に立たされます。

冬のある日、エリゼと散歩をしていたマーカスは、彼女にポールにかけられた保険金の額を尋ねます。恐怖を感じたエリゼは、手にしたボールを投げ、飼い犬にそれを追わせます。マーカスが犬を追いかけたところ、車にはねられ死亡してしまいます。

キャスト

マーカス：マーク・レスター（平井道子）
エリゼ：ブリット・エクランド（武藤礼子）
ポール：ハーディ・クリューガー（寺島幹夫）
ドクター・ヴィオーネ：リリー・パルマー（来宮良子）
校長：ハリー・アンドリュース
ソフィー：コンチタ・モンテス
サラ：コレット・ジャック

作品の魅力

『ナイト・チャイルド』は、一見すると可愛らしい少年が内に秘めた狂気を、マーク・レスターが見事に演じきっています。ブリット・エクランド演じるエリゼが、徐々に追い詰められていく様は、観る者に息苦しいほどの緊張感を与えます。予測不能な展開と、衝撃的なラストシーンは、観終わった後も長く心に残るでしょう。

外部リンク

ナイト・チャイルド - allcinema
ナイト・チャイルド - KINENOTE
Night Child - IMDb（英語）

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