来宮良子

来宮良子（きのみや りょうこ）

来宮良子（1931年7月10日 - 2013年11月25日）は、日本の著名な声優、女優、ナレーターとして知られています。東京俳優生活協同組合に所属し、東京都品川区荏原で生まれました。初期のキャリアでは本名の櫻井良子（さくらい りょうこ）名義で活動していましたが、その後改名し、来宮という芸名で認知されるようになりました。

来歴

幼い頃から朗読が好きであり、アナウンサーを目指していました。東京府青山師範学校（後の東京第一師範学校）に通った後、戦時中は茨城県立土浦高等女学校に進学。様々な事情の後、東京都に戻り調布高等女学校に転校します。東京家政学院短期大学に進学し、1951年にはNHKラジオドラマ『向う三軒両隣り』に出演し、正式にデビューを果たしましたが、大学は中退し、東京放送劇団に入団しました。彼女の同期には黒沢良や山内雅人、川久保潔がいます。

来宮は舞台よりもスタジオでの仕事を好み、声優のキャリアを選択しました。1952年には『君の名は』でナレーションを担当し、1953年に劇団民藝の女優と区別するため来宮という名前を名乗るようになりました。それ以降、ナレーションや声優として多くの作品に出演し、特にNHKラジオドラマ『笛吹童子』などでその名を広めました。

特徴・業績

来宮はアルトの声を持ち、特に低音の魅力があります。吹き替えの分野では、モーリン・オハラなどの女性キャラクターの声を担当しました。ナレーターとしても『演歌の花道』や『いつみても波瀾万丈』などで独特の語り口を聞かせ、これが「来宮節」として親しまれました。

1967年と1979年にはACC賞をナレーション部門で受賞し、2008年には声優アワードの功労賞を受賞しました。さらに2014年にも特別功労賞を受賞しています。彼女の仕事は幅広く、テレビドラマ、アニメ、映画、ラジオ、CMなど多岐にわたります。

病気と死去

2013年の4月から病気療養を行い、レギュラーのナレーション番組を降板した後、同年の11月25日に肺疾患による多臓器不全のため、82歳で逝去しました。通夜や葬儀は近親者だけで行われ、彼女の遺作は同年に収録した『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』のナレーションでした。

プライベート

趣味は読書やゴルフであり、父親は開業医であったため家族には厳格な家庭環境で育ちました。生涯独身であり、家族も持たなかった彼女は、仕事に専念する道を選びました。

エピソード

来宮は、自身がナレーションを担当した『演歌の花道』が男女混合のナレーターによって作られた当初、試行錯誤を必死に行ったことを明かしています。人生の中で数々の苦労や喜びを経て、彼女は多くの人々に愛される声の持ち主となりました。ナレーターとしての彼女の語りが多くの視聴者の心に残り、今もなお多くの人々に記憶されています。彼女のキャリアと才能は、日本のエンターテインメントにおいて欠かせない存在として輝き続けることでしょう。

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