ナインスゲート

映画『ナインスゲート』について

『ナインスゲート』（The Ninth Gate）は、1999年に公開されたフランスとスペインの合作映画です。ロマン・ポランスキーが監督を務め、彼の妻であるエマニュエル・セニエも出演しています。原作はアルトゥーロ・ペレス＝レベルテの小説『呪いのデュマ倶楽部』ですが、映画ではデュマに関する部分は削除され、伝説の稀覯本『影の王国への九つの扉』を巡る物語が描かれています。

あらすじ

ニューヨークに住むディーン・コルソは、稀覯本の専門家であり、「古書探偵」として働いています。彼は、コレクターのために貴重な本を探し出す一方で、素人から安く買い叩くなど、その評判はあまり良くありません。ある日、コルソは悪魔に関する稀覯本のコレクターであるバルカンから、莫大な報酬で『ナインスゲート』という本を調査する依頼を受けます。

『ナインスゲート』は、悪魔自身が書いたとされる本を基にしており、その挿絵である9枚の版画を解読することで悪魔を呼び出すことができると伝えられています。世界に3冊しか現存しないこの本のうち、バルカンは本物が1冊だけだと確信しており、コルソに3冊を比較調査するよう依頼します。

コルソは、他の2冊を探してヨーロッパに飛びます。その道中、コルソを陰ながら守る謎の美女や、本の元の持ち主であるテルファー夫人が現れ、コルソを巻き込んでいきます。調査の結果、版画は3冊の本に分散して隠されており、その秘密を探るうちに、コルソは『ナインスゲート』を信奉する秘密結社の存在を知ります。

コレクターたちが次々と殺され、本も奪われる中、コルソはテルファー夫人を操るバルカンの陰謀に気づきます。バルカンは、コルソを利用して情報を集め、自身で版画を集めていたのです。しかし、儀式は失敗に終わり、バルカンは焼死してしまいます。最後に、謎の美女が、9枚目の版画に不備があったことを明かし、コルソは、真の儀式を遂行したのは自分だったと悟るのです。

登場人物

ディーン・コルソ: 稀覯本の探索と売買を生業とする「本の探偵」。腕は確かだが、強引な手段も辞さない。
ボリス・バルカン: バルカン出版のオーナーで、悪魔学の研究家であり、稀覯本のコレクター。目的のためなら手段を選ばない冷酷な人物。
アンドリュー・テルファー: アメリカ人コレクター。妻の悪魔崇拝に絶望し、バルカンに本を譲って自殺する。
リアナ・テルファー: コルソに付きまとう美女。アンドリューの未亡人で悪魔の稀覯本の本来の所有者。本を取り戻すためにコルソを追う。
謎の女: コルソを助ける金髪緑目の美女。格闘術にも長け、超人的な能力を持つ。
ケスラー男爵夫人: パリ在住のコレクター。バルカンの過去を知っており、コルソに警告する。
バーニー: コルソ馴染みの古本商。
ヴィクター・ファルガス: ポルトガル在住のコレクター。悪霊の稀覯本の収集家でバルカンの素性を知っている。
パブロ/ペドロ・セニサ兄弟: トレド在住の双子の製本家。

撮影地

撮影は、1998年の夏にフランス、ポルトガル、スペインで行われました。

フェリエール城: テルファーの居城として使用。
ピュイヴェール城: 最終シーンの舞台。
モンセギュール城: 劇中に登場する。

関連事項

コラン・ド・プランシー: ファルガスが言及する著者。
地獄の辞典: プランシーの著書。
グリモワール: 魔術書。

外部リンク

ナインスゲート - allcinema
ナインスゲート - KINENOTE
The Ninth Gate - オールムービー（英語）
* The Ninth Gate - IMDb（英語）

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