ナウル航空

ナウル航空：太平洋の島国を翔ける航空史

ナウル航空は、太平洋の島国ナウル共和国を拠点とする国家フラッグキャリアです。その歴史は長く、幾多の困難を乗り越えて現在に至っています。1970年に設立された当初はエア・ナウルとして、ボーイング727や737-200型機などを用いて、オーストラリア、ニュージーランドを始め、日本（鹿児島空港と那覇空港）、グアム、ハワイといった太平洋地域の都市へ路線を展開していました。しかし、ナウル経済の基盤であったリン鉱石の採掘量の減少は、国家財政を圧迫。エア・ナウルは経営難に陥り、2000年代に入ると、債権者による機材差し押さえといった事態も発生するなど、存続の危機に瀕しました。

それでもなお、ナウル航空は生き残りました。主要な援助国である台湾からの支援を受け、2006年にはボーイング737-300型機を導入し、同時にアワー航空へと社名変更、運航を再開しました。この出来事によってナウル航空は新たな段階へ進みます。2014年には現在のナウル航空へと社名を再び変更し、さらにボーイング737-300型機の追加導入や貨物専用機の導入を行い、事業の多角化を進めてきました。

現在、ナウル航空はオーストラリアのカンタス航空とのコードシェア協定を結び、ネットワークの拡大を図っています。また、キリバス航空へのウェットリース契約により、運航規模の拡大にも成功しています。この戦略的な提携は、ナウル航空の国際的な競争力を高め、安定的な経営に貢献しています。

就航都市はナウル（本拠地）をはじめ、タラワ、ナンディ、ブリスベン、ホニアラ、ポンペイ、マジュロ、コロール、クリスマス島など、太平洋地域に広がっています。かつては、エア・ナウル時代（1972～1988年）には、ボーイング727や737-200型機を用いて日本（鹿児島空港と那覇空港）にも乗り入れていましたが、パイロット不足や東京支店の家賃滞納などの問題から撤退しています。

ナウル航空の現在の運航機材は、ボーイング737-300型機、737-300F型機、737-700型機、787-800型機、737-800SF型機など、多様な機材を保有し、旅客輸送と貨物輸送の両面で事業を展開しています。

ナウルという小さな島国を拠点としながらも、数々の困難を乗り越え、国際的な航空ネットワークを築き上げてきたナウル航空。その歴史と挑戦は、世界中の航空業界においても特筆すべき存在といえるでしょう。今後、ナウル航空がどのような発展を遂げるのか、注目が集まります。

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