ナカムラクニオ

ナカムラ クニオ



ナカムラ クニオ(1971年9月2日 - )は、荻窪にあるギャラリー兼書店『6次元』の主宰者であり、美術家としても活動する人物です。映像制作、執筆、金継ぎなど、その活動は多岐にわたります。

経歴



東京都目黒区に生まれたナカムラ氏は、美術に触れる機会に恵まれた環境で育ちました。母方の先祖には板橋氏、親戚にはスウェーデン語翻訳家の板橋憲明、宣教師の山本忠美がいます。父方は目黒区で工場を経営していました。

東京都立日比谷高等学校在学中から美術活動を開始。学生時代には横尾忠則に才能を認められ、17歳で初個展を開催。数々の公募展で受賞し、すどう美術館の「菅創吉との対話」展にも参加しました。西麻布の現代美術館「PICA(ペンローズ・インスティテュート)」で働きながら世界を巡り、美術書や美術作品を収集。中村政人らと新宿少年アートなどの現代美術活動も行っていました。アーツ千代田3331で開催された特別展「アーリー90's トーキョー アートスクアッド」展(2020年3月開催)にも参加しています。また、オペラ「アイーダ」の東京ドーム公演に最年少で出演したことをきっかけに映像制作に興味を持つようになりました。

日本大学卒業後、フジテレビ系の制作会社ニユーテレスに入社。ネクサスでは「開運!なんでも鑑定団」「地球街道」などを担当しました。その後、NHKワールドで紀行番組を担当し、「Out & About」「journeys in Japan」など、日本の文化を海外に伝える国際番組を多数演出。代表作にNHK、Eテレ『世界が読む村上春樹 〜境界を越える文学〜』があります。

2008年には、荻窪にギャラリー「6次元」を設立。近現代美術史に深く精通しており、ブリヂストン美術館(現アーティゾン[[美術館]])、山種[[美術館]]、Bunkamura ザ・ミュージアム、京都文化博物館あべのハルカス[[美術館]]などでギャラリートークを開催。2022年に東京都美術館で開催されたボストン美術館展ではアートナビゲーターを担当し、エゴン・シーレ展、アンリ・マティス展など展覧会公式ガイド本の執筆も数多く手がけています。

近年は、陶磁器修復技術「金継ぎ」の普及活動にも力を入れており、東北や熊本などの被災地、アメリカなどでワークショップを開催。映像作品『金継ぎ PIECES IN HARMONY』は、ADFEST 2018(第21回アジア太平洋広告祭)デザイン部門でシルバーを受賞。資生堂の世界CM「The redefiniton of Japanese Beauty by Shiseido」に金継ぎの器を提供。小学校高学年向け環境問題の教科書「エシカル消費(金の星社)」にも「金継ぎ」の項目が掲載されています。また、NHK出版の『本の世界をめぐる冒険』は、多くの中高で受験問題として採用されています。

テレビ朝日「松岡修造のみんながん晴れ サンデーLIVE!!」、テレビ東京「YOUは何しに日本へ?」、TBS「マツコの知らない世界」の金継ぎ特集などにも出演。現在は、TOKYO FMのラジオ番組「THE TRAD」(稲垣吾郎)、bayfm田中美里「Morning Cruisin’」、関西テレビ「ピーチケパーチケ」などにもセミレギュラー出演し、美術解説を担当しています。

出演する映画「Kintsugi」は、ダマー国際映画祭、サンダンス国際映画祭で上映されました。児童養護施設に暮らす子どものドキュメンタリー映画「ぼくのこわれないコンパス(2019)」(監督マット・ミラー)にも出演し、金継ぎをテーマにした絵本「My Invincible Compass」も日米で出版されました。他にも海外のドキュメンタリー作品に多数出演しています。

2019年には、アメリカの画家マコトフジムラと共同で金継ぎの学校「キンツギアカデミー」をロサンゼルスに設立、ニューヨークで展示やワークショップなどを企画。2021年には、東根市美術館で東北各地の市民とともに制作した器を展示する「金継ぎアンソロジー」展を開催しました(キュレーター/宮本武典)。

現在は、東京、長野県諏訪市石川県輪島市のアトリエで活動を続けています。

主な著書



人が集まる「つなぎ場」のつくり方 : 都市型茶室「6次元」の発想とは(CCCメディアハウス、2013年)
さんぽで感じる村上春樹(ダイヤモンド社、2014年)
パラレルキャリア : 新しい働き方を考えるヒント100(晶文社、2016年)
金継ぎ手帖 はじめてのつくろい(玄光社、2017年)
村上春樹語辞典: 村上春樹にまつわる言葉をイラストと豆知識でやれやれと読み解く(誠文堂新光社、2018年)
美術手帖 : はじめての骨董(玄光社、2019年)
チャートで読み解く美術史入門(玄光社、2019年)
魔法の文章講座(パイインターナショナル、2019年)
村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール(筑摩書房、2019年)
世界の本屋さんめぐり (私のとっておき)(産業編集センター、2019年)
本の世界をめぐる冒険(NHK出版、2020年)
モチーフで読み解く美術史入門(玄光社、2020年)
描いてわかる 西洋絵画の教科(玄光社、2020年)
村上春树图解辞典 一本开启村上春树文学世界的百科全书(中国青年出版社、2020年)
画家美術史(光文社、2021年)
こじらせ美術館(ホーム社、2021年)
こじらせ恋愛美術館(ホーム社、2023年)
大人が知っておきたい 図解 教養としての美術史(イースト・プレス、2024年)
一気読み西洋美術美術館に行く前3時間で学べる(日経BP、2024年)

連載



「デザインガール図鑑」 - ムック 『+DESIGNING』(マイナビ
「世界の果ての本屋さん」 - DOT Place
「世界の本屋さん」 - (朝日小学生新聞
「こじらせ美術館」(ホーム社/集英社)
「ボストン美術館を楽しむための7つの秘密」(ボストン美術館展公式HP)  
「ナカムラクニオの美術放浪記(朝日新聞 withnews)」

テレビ



NHK BS金継ぎ 能登の物語」

ラジオ



* NHKラジオ「英語で読む村上春樹」

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