晶文社

株式会社晶文社について

株式会社晶文社（しょうぶんしゃ）は、東京・神保町に本社を置く書籍出版社で、文学、藝術、人文科学を主なテーマにした書籍を多く出版しています。1960年に中村勝哉と小野二郎によって設立され、以来、文芸書や学習参考書を主な商品として展開してきました。この出版社は、動物のサイをトレードマークとしており、その独自性を反映した選書を行っています。

受賞歴

これまで晶文社は、出版業界での革新と貢献が評価され、1990年には一般社団法人出版梓会から第6回出版文化賞を受賞しています。また、2020年には同団体の第17回新聞社学芸文化賞も受賞し、その成果が広く認められています。

出版物の多様性

晶文社は、専門書から、実用書、ルポルタージュ、文芸、さらにはサブカルチャーに至るまで、多様なジャンルの書籍を手がけています。1973年には植草甚一が関与する形で『ワンダーランド』を刊行しました。以降は出版社が変わることになりますが、晶文社には独自の文化を持つ書籍群が数多く存在しています。

経営の波

経営においては、2009年に経営危機が報じられ、文芸一般書の新刊数が大幅に減少することが発表されました。その後、社屋を千代田区外神田から神田神保町へ移転し、2014年には吉本隆明全集の刊行を開始するなど、再生を図っています。

著名な刊行物

晶文社が手がけた著名な作品には、ヴァルター・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術』（1970年）、中原弓彦による『日本の喜劇人』（1972年）、ジュディス・メリルによる『SFに何ができるか』（1972年）などがあります。また、ボブ・ディランの全詩集や古川ロッパの昭和日記なども印象的です。

シリーズや著作集

晶文社はシリーズものや著作集も多数発行しています。特に、『島尾敏雄作品集』や『長谷川四郎作品集』などは、著名な作家の作品を体系的に収めたもので、多くの読者に愛されています。また、文学のおくりものシリーズや椎名誠選書など、バリエーション豊かに展開されています。

編集者たち

晶文社で活動した編集者には、小野二郎をはじめ、津野海太郎、木島始、高平哲郎、安藤聡など、様々な名が挙げられます。彼らの努力が晶文社の品質を高め、多くの優れた書籍を世に送り出してきました。

総括

株式会社晶文社は、その創業から現在に至るまで、数々の挑戦と成果を重ねてきた出版社です。文学や人文科学の発展に寄与し、多様な作品を通じて読者に深い感動を与えています。このような文化的な貢献が、今後も続くことを期待しています。

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