ナガノ (イラストレーター)

ナガノ：不条理と可愛らしさが共存する世界

ナガノは、日本を代表するイラストレーター、漫画家です。彼女が生み出すキャラクターたちは、可愛らしい見た目とは裏腹に、世の中の不条理や狂気を孕んだストーリーを展開し、多くのファンを魅了しています。

デビューのきっかけと活動

ナガノの名を世に知らしめたのは、Twitterに投稿された「自分ツッコミくま」（現在のナガノのくま）のイラストやLINEスタンプです。その人気は瞬く間に広がり、企業やアーティストとのコラボレーション、地方自治体のキャラクターデザインなど、多岐にわたる活動へと繋がっていきました。

鹿児島県志布志市の公認キャラクター「志武士ししまる」のデザインや、ポケモンとのコラボLINEスタンプ「もういい！もどれ！ピカチュウ！」の製作など、その活動は多岐に渡ります。特にLINEスタンプでは、「自分ツッコミくま」をはじめ、「パグさん」「ぶりっこうさぎ」「気持ち色々パンダ」「うごうごうさぎ」「三択ねこ」「ちいかわ」など、数々の人気キャラクターを生み出し、日本のクリエイターズランキングで1位を多数獲得、台湾のLINEクリエイターズマーケットでも上位にランクインするなど、国内外で高い評価を得ています。

自分ツッコミくまのブレイク

中でも「自分ツッコミくま」は、2017年12月にはLINE Creators MVPを受賞するなど、特に高い人気を誇り、グッズ販売やコラボカフェの開催に繋がりました。朝日新聞社が運営する中華圏向け日本最新情報サイト「潮日本」では、2018年7月から漫画の連載が開始されるなど、その人気は留まるところを知りません。

Twitterでは、空腹を紛らわすために描いた食べ物の絵がきっかけで、食事レポートを兼ねたイラストを投稿し始めました。また、「自分ツッコミくま」の漫画も投稿し、可愛らしい絵柄で「不条理」や「狂気」を感じさせる作風は、Twitterで大きな反響を呼びました。漫画に登場する「もぐらコロッケ」は、主役級の人気キャラクターとなり、2023年11月に登場した「アザラシ」は、「ちいかわ」に似ていることもあり、8万いいねを超える反響を得ました。

ちいかわ現象

2020年からは、Twitterで「ちいかわ」の連載を開始。2023年4月時点でTwitterフォロワー数は214万人を超えるほどの人気を集めています。「ちいかわ」は、2022年4月からアニメ化され、ニュース情報番組のレギュラーとしてテレビ放送されたことや、ネット配信放送されたことで、さらに幅広い層に知られるようになりました。

創作の源泉とこだわり

ナガノは、物心ついた時から絵を描くことが好きで、そのルーツとして、淡々とした雰囲気の中にドキドキ感のある童話や絵本を挙げています。また、カマキリのメスがオスを食べるなど、生き物ならではの容赦の無さに強く惹かれると語り、そういった生き物らしさを作品に反映させたいという思いを持っています。

作品においては、食べ物の食感を重視しており、漫画やイラストには、食感が伝わるような独特の擬音が添えられています。制作スタイルはアナログにこだわり、手描きしたものをスキャンして使用しています。それはデジタルでは表現できない、独特の温かみと繊細さを追求するためです。

受賞歴

2024年には、『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ|ちいかわ_なんか小さくてかわいいやつ』が第53回日本漫画家協会賞大賞萬画部門を受賞。同年、第6回野間出版文化賞を受賞し、約10年間の活動全体が評価されました。

ナガノが生み出す作品は、可愛らしさの中に潜む不条理さや狂気が、私たちの心に深く響き、共感と感動を与えてくれます。今後の彼女の活躍から目が離せません。

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