ナジーブ・ミーカーティー

ナジーブ・ミーカーティーについて

ナジーブ・ミーカーティーは、1955年11月24日に誕生したレバノンの著名な政治家であり実業家です。彼は2005年、2011年から2014年、そして2021年から2025年までの3度にわたり、レバノンの首相を務めました。その間、2022年10月からは大統領が不在となったため、首相としての職務に加え、代行として大統領業務も兼任することになりました。これらの役職を通じて、彼はレバノンの政治情勢に深く関与してきました。

彼はスンニ派ムスリムとして知られ、アラブ諸国で経済的な成功を収めた実業家でもあり、2011年の『フォーブス』の世界長者番付では、推定値28億ドルで409位にランクインしました。特に日本のメディアでは、「ナジブ・ミカティ」という表記が一般的です。

経歴の詳細

ミーカーティーはベイルート・アメリカン大学で経営学修士号（MBA）を取得し、1982年のレバノン内戦中に兄と共に通信会社を設立しました。この会社はアラブ諸国で著しい成長を遂げ、彼はその後、ミーカーティー・グループの創始者として名を馳せました。1998年には内閣から公共事業相に任命され、2000年には故郷トリポリから国民議会へ選出されました。彼の公共事業相としての活動は評価され、多くの信任を受けることとなります。

首相就任のチャンスが2000年にあったものの、彼は国民がラフィーク・ハリーリーを選んだことを考慮し、就任を辞退しました。しかし、2004年には、親シリアのエミール・ラフード大統領による任期延長に反対する立場を取ったことで、後にウマル・カラーミーの後任に指名されました。カラーミーは選挙管理内閣の構築に7週間を費やすも、最終的に辞任し、ミーカーティーは2005年4月15日に首相に任命されました。

2011年にはミシェル・スライマーン大統領から組閣を命じられますが、ヒズボラの支援を受ける彼の首相就任に反対するデモが発生しました。実際の内閣が成立するまでには5ヶ月を要し、承認を受けて正式に2度目の首相に就任しました。2012年の治安当局幹部の爆殺事件の際は、その責任を問われることになり、首相辞職を求められる局面を迎えましたが、彼は辞職の意向を示さないまま内閣の総辞職を2013年に発表しました。

その後、レバノンの政治情勢は混乱し続け、2020年にはベイルート港での爆発事故を受けて、当時の首相が辞任する事態となり、約1年組閣が行われないという事態が続きました。2021年には、ミーカーティーが次期首相に選ばれ、9月10日に新内閣を発表しました。この内閣も、2022年の総選挙を経て新たな状況に直面します。

2022年の総選挙後にアウン大統領が新首相の選出を要請し、ミーカーティーは暫定的に首相として留まることになりました。2022年10月31日には、アウン大統領が任期を終え、後継者が決まらない中、彼が大統領代行に就任しました。しかし、党派間の協議は進まず、2025年1月9日にようやく新大統領が選出されることになります。ミーカーティーは、その後次期首相としての指名を受け、政権交代の準備が整いました。

その政治キャリアを通じて、ナジーブ・ミーカーティーはレバノンの政治、経済の発展に大きな影響を与え続けている重要な人物です。

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