ナスノカオリ

ナスノカオリの競走馬としての歩み

ナスノカオリ（Nasuno Kaori）は、1968年4月7日に栃木県の那須野牧場で誕生した競走馬で、1971年の桜花賞の勝者として名を馳せました。彼女は同年に啓衆社賞で最優秀4歳牝馬に選出され、その栄光は競馬ファンの記憶に深く刻まれています。ナスノカオリの全妹には、優駿[[牝馬]]（オークス）を制したナスノチグサがいます。

デビュー前の育成

ナスノカオリは、幼名を「映星」と名付けられましたが、その後正式に「ナスノカオリ」と改名され、特に競走馬としての運命を拓くことになります。成長には少し時間を要しましたが、2歳秋には騎手が乗る育成が始まり、鍛錬を重ねていきました。早期からその才能は注目され、競馬界での期待も寄せられていました。

競走馬時代

3歳（1970年）

ナスノカオリは1970年の7月にデビューを果たします。初めは期待されたものの、デビュー戦では2着に終わります。しかし、2戦目には圧勝し、続けて条件戦でも勝利を重ね、年末のマイル戦では1番人気に応えて3勝目を収めます。この時点で彼女の名は競馬界に広まりました。

4歳（1971年）

1971年、ナスノカオリは新春4歳牝馬ステークスで開幕しましたが、重馬場の影響で6着に終わります。しかしその後、桜花賞に向けたトライアルでは好成績を残し、桜花賞へと進みました。当初は重馬場が苦手とされていましたが、桜花賞では見事に勝利を収め、嶋田騎手にとって初のクラシック勝利となりました。

4月には優駿[[牝馬]]（オークス）に挑戦するも結果は振るわず、10着に敗退。その後のレースでも調子が上がらず、一度休養を挟み復帰しました。5歳になった秋には新潟競馬場と福島競馬場で好成績を収め、有馬記念にも出走しましたが、引退前には競走馬としての輝きを失っていました。

繁殖牝馬時代

競走馬引退後、ナスノカオリは繁殖牝馬として新たな人生を歩み始めました。最初の配合相手として選ばれたのはムーティエでしたが、初仔は不運にも早逝してしまいます。その後も何度か試みがありましたが、卵巣機能の障害に見舞われ、度重なる流産で苦しみました。最終的に特定の種牡馬との配合も実を結ばず、繁殖牝馬としての道を閉じることとなりました。

ナスノカオリは、1997年7月28日に30歳でこの世を去りました。その長い人生を通じて、競馬界に多くの印象を残した存在です。彼女の血脈は、後の世代にまで受け継がれ、依然として競馬の歴史に名を刻んでいます。ナスノカオリの物語は、競馬の中でも特に記憶に残るものとして、今もなお語り継がれています。

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