ナスノミツル

ナスノミツル

ナスノミツル（1963年 - ）は、岩手県盛岡市に生まれた日本のベーシストであり、即興音楽の演奏家です。彼のキャリアは大学時代に京都で始まり、音楽への情熱を注ぐ中で、本格的な音楽活動を開始しました。その後、彼は東京に活動の拠点を移し、さまざまな音楽プロジェクトに参加しました。特に注目すべきは、大友良英が率いるアバンギャルドロックバンド「Ground Zero」での経験です。

ナスノは、ライブパフォーマンスでよく1964年製のフェンダー・プレシジョンベースを使用しており、その独特な音色は多くのファンを魅了しています。彼のスタイルは即興音楽に特化しており、様々なアーティストとコラボレーションしながら、多様なジャンルを横断する表現を追求しています。

主なソロプロジェクト

ナスノは自身のソロプロジェクトをいくつか展開しており、その中でも特に注目されるのは「Prequel Oct.1998 - Mar.1999 + 1」です。この作品は2008年にリリースされ、大友良英や鬼怒無月、芳垣安洋が参加しています。また、10年後に日の目を見た音源とも言われており、彼の音楽性を色濃く反映しています。さらに、2008年には「離場有浮」というアルバムもリリースしており、こちらは灰野敬二や石橋英子が参加した作品です。このアルバムは、静と動をテーマにした2部作の一部であり、「静」という作品が含まれています。

tenelevenの結成

2009年、ナスノは「teneleven」というバンドを結成しました。これは、彼が自身のスタイルを表現するための重要なプロジェクトです。メンバーには、山本達久（ドラム）、坂口光央（キーボード）、南方美智子（キーボード）、ササキヒデアキ（ビジュアルデザイン）が揃い、ビジュアルと音楽が調和した独自の世界観を形成しています。2012年には1stアルバム『teneleven』をリリースし、中村達也がゲスト参加しました。このアルバムは、ナスノの音楽の背景や彼のビジョンを明確に示す作品となっています。

また、2013年には新しいメンバーとして沼澤尚（ドラム）と中村弘二（ギター）が加わりました。この時期には、ナスノのソロプロジェクト「teneleven-proto」や、ナスノ・坂口・南方のユニット「teneleven-stereo」などの活動も並行して行われ、テンポラリーな音楽表現が試みられました。これらの活動は、最終的にバンドtenelevenに集約され、ナスノの音楽的探求が続いています。

MUGAMICHILL

ナスノは、2015年に「MUGAMICHILL」と呼ばれるバンドも結成しました。このプロジェクトは中村弘二（ギター、サンプリング）や中村達也（ドラム、パーカッション）とのコラボレーションからスタートし、2016年には正式なバンド名としての活動を始めました。初期の頃は「MUGAMICHIRU」という表記が使われ、後に現在の名前に改められました。2020年秋までに、6タイトルのCD-R作品をリリースするなど、活発な活動を展開しています。

その他の活動

ナスノは他にも多くのバンドやプロジェクトに参加しており、Ground Zeroをはじめとして、あまちゃんスペシャル・ビッグバンド、アルタード・ステイツ、是巨人、サンヘドリン、静寂、不失者など、ジャンルを超えた数多くのミュージシャンと共演しています。また、最近では相対性理論ややくしまるえつこ、布袋寅泰のバックバンドとしても演奏するなど、その活動は幅広く、多岐にわたります。

ナスノミツルの音楽は、彼が築き上げた独自の表現を通じて、多くの人々に影響を与え続けています。彼のキャリアは、常に進化を続けていることが伺え、今後も新しいプロジェクトや音楽の取り組みが期待されます。

もう一度検索