ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合

ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合：肥満と変身のコメディ

1996年公開のアメリカ映画『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』は、1963年のジェリー・ルイス主演作『底抜け大学教授』のリメイク作品です。肥満体型で内気な大学教授が、恋の成就をきっかけに開発した薬でスリムな別人格に変身する騒動を描いたコメディ映画として知られています。エディ・マーフィが主人公クランプ教授とその別人格のバディ・ラブを1人で演じ分け、高い評価を得ています。

ストーリー：体型コンプレックスと別人格の暴走

ウェルマン大学の生物学教授であるシャーマン・クランプは、肥満体型が原因で様々なトラブルに見舞われる毎日を送っていました。ある日、美しい院生のカーラに恋をしたクランプは、ダイエットに励みますが失敗。諦めかけたその時、カーラとデートの約束を取り付けます。しかし、デート先のクラブで容姿いじりをされたことで、クランプのコンプレックスはさらに悪化。彼は、研究段階にあった痩身薬を服用することを決意します。

薬の効果は絶大で、クランプは自信に満ちた魅力的な男性「バディ・ラブ」へと変身。しかし、この変身は一時的なものであり、クランプはバディの人格と自身の性格を行き来するようになります。やがて、バディの人格が暴走し始め、クランプは予測不能な事態に巻き込まれていくのです。

登場人物：個性豊かなキャラクターたち

主人公クランプ教授とその別人格バディ・ラブに加え、本作には個性豊かなキャラクターたちが登場します。

シャーマン・クランプ（エディ・マーフィ）： 温厚で内気な性格だが、肥満体型をコンプレックスに抱えている生物学教授。
バディ・ラブ（エディ・マーフィ）： クランプが痩身薬を服用して変身した別人格。自信家で明るい性格。
カーラ・パーティ（ジェイダ・ピンケット）： クランプに好意を持つ院生。
リッチモンド（ラリー・ミラー）： クランプの上司である学部長。クランプの体型を揶揄する場面も見られる。
レジー・ジャクソン（デイヴ・シャペル）： クランプの体型をネタにした毒舌コメディアン。
クランプ家： クランプの家族も個性豊かな面々で、体型を気にしているクランプを励ます母や、体型に誇りを持つ父など、様々なキャラクターが登場します。

制作：エディ・マーフィとジェリー・ルイス

エディ・マーフィのコミカルな演技と、1人何役も演じる高い演技力が本作の大きな魅力となっています。また、本作はジェリー・ルイスが製作総指揮として携わっており、彼の過去の作品『底抜け大学教授』へのオマージュも感じられます。しかし、ジェリー・ルイスは後に、リメイク版の制作について複雑な思いを語っています。

評価：高い評価を獲得

Rotten Tomatoesでは64%の高支持率を獲得し、Metacriticでも62/100の高評価を得ています。映画評論家のロジャー・イーバートも高く評価しており、エディ・マーフィの演技と映画全体のバランスを絶賛しました。

まとめ：笑いと感動が詰まった作品

『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』は、エディ・マーフィの素晴らしい演技、個性豊かなキャラクターたち、そして笑いと感動が詰まった傑作コメディです。肥満体型というコンプレックスと、別人格との葛藤を通して、自己肯定感やアイデンティティといった普遍的なテーマも描かれており、多くの観客を魅了しました。 アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞も納得の、完成度の高い作品と言えるでしょう。

もう一度検索