ナナシ

ナナシ - 日本の漫画家

ナナシは、日本の漫画業界で注目を浴びる漫画家である。2017年から『マガジンポケット』（講談社）にて連載を開始した『イジらないで、長瀞さん』は、彼の代表作として広く知られ、多くの読者に支持されている。

生い立ちと初期の影響

ナナシは幼少期から漫画に魅了されていたが、親の規制のために隠れて読むことが多かった。特に中学時代に高田裕三の『3×3 EYES』に出会い、その深い内容に心を動かされたことが、彼の漫画家を志すきっかけとなった。この作品の魅力に強く惹かれ、漫画制作の道を歩む決意を固めたと言える。「漫画家になる」という明確な目標を持ったわけではなかったが、高校時代には既に原稿用紙に漫画を描くようになっており、創作活動に没頭していたことが伺える。

社会人としての経験

ナナシは、漫画家としての道を歩むまでの間、約15年間にわたりゲーム会社でグラフィッカーとして活躍していた。彼の仕事は、ビジュアルデザインや3D制作を含んでおり、その技術力が後の作品にも良い影響を与えた。会社勤めの傍ら、同人誌を作成し、コミケでの出展も経験した。この時期にはいくつかの読み切り作品が雑誌に掲載されることもあったが、連載と仕事の両立は難しくなり、本格的に漫画家の道を志すことになった。

『イジらないで、長瀞さん』の連載とその成功

インターネット上で作品を発表していたナナシは、Pixivで公開していた『イジらないで、長瀞さん』が話題となり、2017年11月に『マガジンポケット』での連載が始まる。この作品は、ドSな女子高生と気弱な先輩男子の関係を描き、多くのファンを獲得。2020年にはテレビアニメ化が決定し、2021年4月から放送が開始された。この成果によって、ナナシは一躍注目を浴びることとなった。

漫画制作のスタイル

ナナシは漫画制作において、まず大まかなあらすじを考えることから始める。そのプロットは、近くのファミレスやフードコートで行うことが多い。自宅で作業を行わない理由は、ゲームやSNSに気を取られるためであり、他人の目があることで集中できるという。プロットが完成した後は、編集部でネームを作成し、その後に作画に入る。ネーム作りが最も時間を要する工程で、この段階で多くの工夫が施される。

漫画に対する思いと将来

漫画はナナシにとって「遊び道具」のような存在で、自分一人で完結できる創作活動であることから、自由で楽しいと感じている。集団作業のゲーム制作とは異なり、個人で全てを表現することができるため、漫画制作を楽しんでいる。

作品リスト

ナナシの作品には、代表作である『イジらないで、長瀞さん』の他にも、トリビュート漫画やアンソロジーへの参加が多数ある。様々な媒体でその画力やストーリーセンスを発揮し、今後の活躍が期待される。ナナシは自身のスタイルを大切にしながら、これからも多様な作品を提供し続けるだろう。

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