ナナ・アクフォ＝アド

ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ＝アド：ガーナの政治家

ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ＝アド（Nana Addo Dankwa Akufo-Addo、1944年3月29日 - ）は、ガーナの著名な政治家です。彼は、法務長官（2001年 - 2003年）や外相（2003年 - 2007年）といった要職を歴任した後、2017年から2025年までガーナの大統領として2期8年間の任期を務めました。彼の政治キャリアは、ガーナの現代政治において重要な位置を占めています。

生い立ちと家族

アクフォ＝アドは、政治的な家系に生まれました。彼の父、エドワード・アクフォ＝アドは、ガーナの第3代最高裁判所長官（1966年 - 1970年）を務め、1970年から1972年まで大統領を務めた人物です。母方の祖父であるナナ・サー・オフォリ・アッタは、アケム・アバカ王国の国王であり、ガーナ独立以前にはゴールドコースト総督評議会の委員を務めていました。このような環境で育ったことが、彼が政治家としての道を歩む大きな要因となりました。

初期のキャリア

アクフォ＝アドは、アクラの国立少年学校とロウ・ロード校で教育を受けた後、イギリスのランシング・カレッジに進学しました。その後、オックスフォード大学ニュー・カレッジで哲学・政治学・経済学を学びましたが、中退してガーナに帰国しました。帰国後、アクラ・アカデミー中学校で教鞭を執り、1964年にガーナ大学に入学し、経済学の学位を取得しました。その後、法律を学ぶために再びイギリスに渡り、1971年に法廷弁護士の資格を取得しました。

政治活動の始まり

アクフォ＝アドの政治活動は、1970年代後半に自由正義人民運動に参加したことから始まりました。この組織は、当時のイグナティウス・アチャンポン将軍の最高軍事評議会が提案した統一政府に反対するために結成されたものです。また、1995年には、ジェリー・ローリングス大統領による人権侵害や新自由主義的な政策に反対する政治団体、変革同盟の発起人となりました。

大統領への道のり

アクフォ＝アドは、2000年の大統領選挙で新愛国党 (NPP) の予備選挙に立候補しましたが、ジョン・アジェクム・クフォーに敗れました。しかし、彼はクフォーの選挙 campaignを支え、クフォーの当選に大きく貢献しました。クフォー政権下では、法務長官や外務相を歴任し、政治家としての経験を積みました。

2008年、アクフォ＝アドは再び大統領選挙に立候補しましたが、国民民主会議 (NDC) のジョン・アッタ・ミルズに敗れました。2012年の大統領選挙でも、NDCのジョン・ドラマニ・マハマに及ばず、落選しました。しかし、2016年の大統領選挙で、彼はついにマハマを破り、大統領に選出されました。

大統領としての業績

2017年1月7日、アクフォ＝アドは大統領に就任しました。大統領としての彼は、経済の安定化、雇用の創出、教育の改善など、様々な政策に取り組みました。また、国際社会との連携を強化し、ガーナの国際的な地位を高める努力も行いました。

2019年11月には、アフリカへの投資フォーラムに出席し、ガーナとコートジボワールのカカオ豆二大生産国が協力して、カカオ豆の価格管理を進めることを発表しました。彼は、「チョコレート産業は1000億ドル規模だが、農家が労働と引き換えに手にする額は60億ドルにすぎない」と訴え、各国に理解を求めました。

2020年12月7日の大統領選挙では、アクフォ＝アドは得票率51.6％で再選を果たしました。

人物

アクフォ＝アドは、イースタン州キビの出身です。彼の妻、レベッカ・アクフォ＝アド（旧姓グリフィス＝ランドルフ）は、第三共和政時代に国会議長を務めた裁判官、ジェイコブ・ハッケンバーグ・グリフィス＝ランドルフの娘です。夫妻には5人の娘がいます。

アクフォ＝アドは、ガーナの政治において重要な役割を果たしてきた人物であり、その政治キャリアは、ガーナの現代史において重要な位置を占めています。

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