ナニ・ラウマペ

ナニ・ラウマぺ

ラグビー王国ニュージーランドが誇る実力派プレイヤー、ナニ・ラウマぺ選手（Ngani Laumape）は、1993年4月22日にニュージーランドのパーマストンノースで生を受けました。主にセンター（CTB）のポジションでプレーし、その爆発的なフィジカルとパワフルなランニングで観客を魅了する選手として知られています。身長は171cmとラグビー選手としては決して大柄ではありませんが、体重103kgという鍛え上げられた肉体が生み出す破壊力は、世界屈指のものです。日本語では「ンガニ・ラウマペ」と表記されることもあります。

若き頃とラグビーリーグでの経験

パーマストンノースボーイズ高校でラグビーユニオンの才能を磨いた後、ラウマぺ選手は一旦、コードの異なるラグビーリーグの世界に足を踏み入れました。若い頃からその才能は際立っており、ニュージーランドのジュニア代表である「ジュニア・キウイズ」に選出されるなど、ラグビーリーグでも将来を嘱望される存在でした。このラグビーリーグでの経験は、彼のアタッキングスキルやディフェンスラインを破る能力に大きな影響を与えたと言われています。

ラグビーユニオンでのキャリア形成

ラグビーユニオンに戻ったラウマぺ選手は、まずニュージーランド国内選手権（NPC）のマナワウでプレーを開始しました。そこで注目を集め、スーパーラグビーの強豪、ハリケーンズに加入します。ハリケーンズでは中心選手として活躍し、その力強いプレーは多くのファンを惹きつけました。スーパーラグビーでのパフォーマンスが認められ、世界のラグビープレーヤーにとって最高の栄誉の一つである、ニュージーランド代表「オールブラックス」に選出されます。2022年8月時点までに、オールブラックスとして国際試合で15キャップを獲得しており、世界の舞台でその実力を証明しました。

海外挑戦と日本へ

ハリケーンズでの輝かしい活躍の後、ラウマぺ選手はフランスのトップリーグであるトップ14に所属するスタッド・フランセへと活躍の場を移しました。ヨーロッパの地でもそのフィジカルと突破力は健在で、チームの重要な戦力となりました。そして2022年、新たな挑戦の舞台として日本のジャパンラグビーリーグワンを選択し、コベルコ神戸スティーラーズへの加入が発表されました。日本でのプレーに対する期待は非常に高く、多くのラグビーファンが彼の来日を心待ちにしていました。

日本でのデビューと試練

コベルコ神戸スティーラーズの一員として、ラウマぺ選手は2022年12月18日に行われたジャパンラグビーリーグワンの開幕戦、横浜キヤノンイーグルス戦で待望の日本公式戦デビューを果たしました。この試合に先発出場し、随所で持ち味であるパワフルなプレーを見せ、日本のファンの前でその存在感を示しました。しかし、残念ながらプレー中に膝を負傷。この怪我の影響で、そのシーズンの公式戦への復帰が難しくなりました。チームは彼の状態を考慮し、2023年2月3日をもって、そのシーズンの選手登録を抹消することを発表しました。この早期の離脱は、チームにとっても、ファンにとっても非常に残念な出来事でしたが、彼の今後の回復と再びピッチに立つ姿が期待されています。

プレースタイルと今後

ラウマぺ選手の最大の強みは、卓越したフィジカルと低い重心を活かしたボールキャリーです。相手ディフェンスラインに突進し、タックルを受けても倒れない強靭な体幹と、相手を弾き飛ばすパワーは世界屈指。センターとして、攻撃の起点となるだけでなく、自らトライを取り切る決定力も持ち合わせています。また、ラグビーリーグ出身ならではのステップワークやハンドオフも得意としています。日本でのキャリアは怪我により一旦中断となりましたが、彼の持つポテンシャルは計り知れません。完全な回復を果たし、再び日本のラグビーフィールドで、あるいは世界のどこかで、あの破壊的なランを見せてくれる日が待ち望まれています。


関連情報
ラグビーニュージーランド代表
ハリケーンズ
スタッド・フランセ・パリ
コベルコ神戸スティーラーズ

もう一度検索