ナミエガエル

ナミエガエル (Limnonectes namiyei) の詳細

ナミエガエルは、ヌマガエル科に属するカエルの一種であり、主に日本の沖縄島北部に特有の存在として知られています。このカエルは、体長の面においてオスが7.9から11.7センチメートル、メスが7.2から9.1センチメートルとなり、一般的にオスの方が大型です。体形は太めであり、吻端は目立たず、鼓膜は皮膚の下に埋もれています。背の色は褐色に暗褐色の斑点が点在し、腹部は白色で不規則な暗色斑紋が特徴的です。また、瞳孔は菱形であり、赤い色をしています。後肢には発達した水掻きがあり、指趾の先端は丸く膨らんでいることが観察されます。特にオスは頑強な頭部を持ち、下顎にははっきりした牙状突起があります。

生態について

ナミエガエルは、主に山地にある常緑広葉樹林内の渓流の周辺に生息しており、半水棲の生活をしています。夜行性であり、昼間は岩の隙間などで休息します。食性は肉食で、昆虫や甲殻類、さらにはミミズを捕食し、水中でも食物を探すことができます。

繁殖は卵生で、毎年4月から6月の間に、渓流の浅い場所や湧水溜りに卵を産みます。幼生は6月から8月にかけて変態して、幼体として成長します。ナミエガエルは生後3年から4年で性成熟を迎えるとされています。

人間との関係

ナミエガエルは、かつては地域において食用や薬用として利用されていましたが、現在は沖縄県の天然記念物に指定されており、捕獲や流通は禁止されています。開発行為によって生息地が減少している影響で、生息数も減少傾向にあり、2016年には種の保存法に基づき、国内希少野生動植物種に指定されました。"

このカエルは環境省のレッドリストにおいて、絶滅危惧IB類（EN）に分類されており、沖縄県の天然記念物としてその保護が求められています。

参考文献

• - 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、126、211頁。
• - 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、305頁。
• - 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、45頁。

関連リンク

• - 環境省 自然環境局 生物多様性センター では、ナミエガエルに関する絶滅危惧種情報が提供されています。

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