ナンガラ (潜水艦)

KRI ナンガラ (402)とは

KRI ナンガラ（インドネシア語: KRI Nanggala, 402）は、インドネシア海軍が保有していた潜水艦です。過去には同名の艦艇（船体番号はS-02）が存在し、区別のためNanggala II と呼ばれた時期もありました。しかし、沈没後は大きく描かれた船体番号402の写真が報道などで取り上げられる事が多く、402と船体番号で呼ばれる事がほとんどです。ナンガラは神話由来の名前で、神が持つ槍を意味します。

概要

1978年に209型潜水艦シリーズの一隻として西ドイツで製造され、1981年にインドネシア海軍に編入されました。兄弟艦のカクラと共にカクラ級潜水艦とされています（ナンガラは2番艦）。

1997年から1999年にかけて近代化改装を受け、2010年からも2年間(25ヶ月間)、韓国の大宇造船海洋で大規模な改良工事が施されました。この改修により、安全潜行深度が240メートルから257メートルに、速力が21.5ノットから25ノットに向上したと報じられています。2012年1月に再投入されました。

事故

2021年4月21日、バリ島の北約96キロメートルの海域で53人を乗せ魚雷発射訓練のため潜航中に消息を絶ち、捜索中であることが発表されました。

3日後の4月24日、インドネシア海軍は乗員53人全員が死亡したと発表しました。潜水艦内に搭載されていた酸素は24日の朝に尽きていたとみられています。

沈没原因の詳細は調査中ですが、水圧に耐えられず水中で大破した可能性があるとされています。

深海からの海洋サルベージは特殊な事例を除いて実績が無く、ナンガラの引き揚げは費用面や技術面から絶望視されていました。しかし、中国人民解放軍海軍が引き上げに名乗りを上げ、同年中に潜水艦救難艦「永興島863」、科学調査船「探索2号」を現地に派遣して引き揚げに向けた作業を開始しました。しかし、同年6月2日、インドネシア海軍は引き揚げ作業を断念し、中国との協力終了後、回収作業を継続する計画はないと表明しました。

2021年6月27日、遠洋練習航海中の海上自衛隊練習艦隊（司令官：石巻義康、実習幹部：71期幹候修了生、練習艦「かしま」「せとゆき」）は、洋上慰霊祭を実施しました。

関連項目

* カクラ級潜水艦

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