ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園について

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、インド北部のウッタラーカンド州に位置する美しい自然保護区域で、ユネスコの世界遺産に登録されています。この2つの国立公園は、1988年にナンダ・デヴィ国立公園が最初に登録され、2005年に花の谷国立公園が追加される形で、その価値が認められました。両公園は、ナンダ・デヴィ生物圏保護区という広大な自然環境の中心的な区域に位置しています。

登録の経緯

[ナンダ・デヴィ]]国立公園は、1988年の第12回世界遺産委員会にて、その豊かな自然美と珍しい生物多様性により、正式に登録されました。国際自然保護連合]によって、その登録が勧告されたことも、後押しになりました。その後、2005年に花の谷[[国立公園が追加登録され、両者は一体の自然遺産として認識されました。

世界遺産登録名

この世界遺産の登録名は、「Nanda Devi and Valley of Flowers National Parks」および「Parcs nationaux de Nanda Devi et de la Vallée des fleurs」とされ、これを日本語に訳すと「ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園」となる場合や「ナンダ・デヴィ国立公園及び花の谷国立公園」といった異なる表現も存在します。

登録基準

この遺産が世界遺産に登録されるにあたり、特に重要視された基準は二つあります。一つは、自然の美しさとその美的な重要性をもった地域を含むこと（基準7）、そしてもう一つは、生物多様性において特に重要な自然生息地を含むとの基準（基準10）です。これらの基準が評価され、両国立公園は世界遺産に指定されました。

構成資産

ナンダ・デヴィ国立公園は、その面積62,460ヘクタールを誇り、インド第2の高峰であるナンダ・デヴィ（標高7,817メートル）を有することが特徴です。一方、花の谷国立公園は8,750ヘクタールのエリアをカバーしており、主に高山植物が広がる草原や森林が見られます。両公園を繋ぐ周辺地域を含めると総面積は51万ヘクタール以上にのぼります。

ナンダ・デヴィ国立公園

ナンダ・デヴィ国立公園は、深い歴史を持つ自然保護区域として、1939年に設立されたことがきっかけで形成されました。1980年に国立公園に昇格されると、1982年には現在の名称で正式に運用が開始されました。この地域には、絶滅危惧種のユキヒョウやツキノワグマ、さらに578種の鳥類が生息し、多様性に富んだ生態系を支えています。特に、ガルワール王国の伝説に基づくナンダ・デヴィ祭は、この地域の文化的価値を象徴しています。

花の谷国立公園

花の谷国立公園は1982年に設立され、その名前は1931年に発見された渓谷に由来しています。ここでは、特に雪解け水によって育まれる多様な花々が点在し、その数は600種にも上ります。ユキヒョウやヒマラヤタール、さらには危急種に指定されるスマトラカモシカなどの動物たちも生息しています。この公園は、標高3,350メートルから6,708メートルまでの多様な地形を持ち、自然の美しさと生物多様性の両方において重要なエリアとされています。

まとめ

ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園は、その壮大な自然環境と豊かな生態系によって、訪れた人々に感動を与えています。これらの国立公園は、単なる観光地にとどまらず、自然保護や文化のシンボルとしての役割を果たし続けています。今後もその保全が求められ、多くの世代にわたって人々に愛され続けることでしょう。

もう一度検索