ニアサ州

ニアサ州について

ニアサ州（Niassa província）は、モザンビークの北西部に位置し、同国で最も広い州です。この州は129,056平方キロメートルの面積を誇り、1999年時点での人口は約848,900人です。州都であるリシンガ（Lichinga）、旧名ヴィラ・カブラル（Vila Cabral）は、この地域の政治的な中心地となっています。

地理的特色

ニアサ州は内陸の丘陵地にあり、周囲にはいくつかの州や国が接しています。東側にはカボ・デルガード州、南東にはルリオ川を挟んでナンプーラ州、さらに南にはザンベジア州、北にはタンザニアのルヴマ州及びムトワラ州があります。海に面してはいませんが、北西にはマラウイ湖（ニアサ湖）があり、この湖の水域はモザンビークに属しています。ただし、湖に浮かぶチズムル島やリコマ島はマラウイ領です。

州内の西側には、マラウイ湖に沿って北南に延びる山脈があり、ここは大地溝帯の一部である"ニアサ・リフト・バレー"の東岸を形成しています。標高約1,300メートルの高原に位置するリシンガは、交通の要所として知られるクアンバという町に近く、南部の平原からナンプーラ州を経由してマラウイへ向かう鉄道が敷かれています。ただし、現在はクアンバからリシンガへの鉄道は使われていません。

地方行政区画

ニアサ州は15の地域（ディストリクト）と1つの市（シティ）に分かれています。これらの地域は以下の通りです：

• - ラゴ郡 (Lago)
• - サンガ郡 (Sanga)
• - マバゴ郡 (Mavago)
• - メクラ郡 (Mecula)
• - ムエンベ郡 (Muembe)
• - マルパ郡 (Marrupa)
• - リシンガ郡 (Lichinga)
• - リシンガ市 (Lichinga cidade)
• - マジュネ郡 (Majune)
• - ヌガウマ郡 (Ngauma)
• - マウア郡 (Maua)
• - ニペペ郡 (Nipepe)
• - マンディンバ郡 (Mandimba)
• - メタリカ郡 (Metarica)
• - クアンバ郡 (Cuamba)
• - メカニェラス郡 (Mecanhelas)

歴史的背景

19世紀まではヤオ族の影響下にあったこの地域は、アフリカの分割によりポルトガルの統治下に置かれることになりました。1891年からは現在のニアサ州とカボ・デルガード州を合わせたエリアが"ポルトガル領ニアサ"として管理され、英仏資本のニアサ会社がその統治を始めました。しかし、1929年には企業による統治は終了し、1931年にはヴィラ・カブラルが設立されました。

1961年から1974年にかけての独立戦争では、モザンビーク解放戦線が北方のタンザニアを拠点に活動し、ポルトガル軍に対する攻撃を行いました。1975年にモザンビークが独立を果たすと、州都のヴィラ・カブラルはリシンガに改称されました。この独立戦争は、その後1992年まで続いた内戦とも合わせて、地域の発展に大きな影響を与えました。このため、ニアサ州には現在も多くの課題が残されています。

もう一度検索