ニコライ・ブルガーニン

ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ブルガーニン

ニコライ・ブルガーニン（1895年 – 1975年）は、ソビエト連邦の政治家および軍人として知られ、党政治局員や国防大臣などを歴任しました。彼の生涯は、特にスターリン体制の中での役割やニキータ・フルシチョフ政権時代における影響力を持っていました。ブルガーニンは、反党グループ事件を通じてフルシチョフとの確執が印象的で、その後の政治的な運命に大きな影響を与えました。

初期の経歴

ブルガーニンは1895年にニジニ・ノヴゴロドで生まれました。彼の父は地元の製パン工場の事務員であり、家族は中産階級でした。1915年からは電気技師見習いとして働き、ロシア革命発生後の1917年にはボリシェビキに入党する傍ら、秘密警察チェーカーに所属しました。内戦後は共産党の幹部としてのキャリアを築き、1931年までの間に多くの役職を歴任しました。

共産党幹部としての活躍

1931年から1937年にかけてはモスクワ市のソビエト議長を務め、スターリンの信任を受けて重要な政策を推進しました。1937年にはロシア共和国の首相に就任し、翌年にはソ連副首相を兼ねるまでに成長しました。彼の忠誠心はスターリン体制を支え、大粛清の中でもその地位を固めました。第二次世界大戦中は前線で活動し、国防委員会の一員としても大きな役割を果たしました。

戦後の政治活動

戦後、ブルガーニンは1947年に国防大臣に就任し、1948年には政治局員となりました。彼はソ連軍の統制を維持し、軍事政策を管轄する指導者として知られます。スターリンの死後、彼はフルシチョフを支持し、更に内閣の要職へと進みました。1955年には閣僚会議議長に就任し、外交でも積極的に活動しました。ユーゴスラビアなどの国々との関係再構築に尽力しました。

フルシチョフとの確執

しかし、ブルガーニンとフルシチョフの関係は徐々に冷却し、1957年にはフルシチョフの反対派に加担したことで彼の政治生命に影響を与えました。その結果、1958年には閣僚会議議長を解任され、政治局からも追放されました。以降は静かな引退生活を送り、70歳を過ぎても政治には関与しませんでした。

家族

ブルガーニンは英語教師のエレーナと結婚し、二人の子どもをもうけました。人生の晩年は穏やかに過ごし、1975年に亡くなっています。彼の墓はノヴォデヴィチ墓地にあります。

ブルガーニンの政治キャリアは、ソ連の歴史における重要な一環を成しており、彼の業績や逡巡は、その後のソビエト連邦の歴史に影響を与えました。

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