ニッカカフェグレーン

ニッカカフェグレーンとニッカカフェモルトについて

概要

ニッカカフェグレーンは、ニッカウヰスキーが日本国内で製造し、アサヒビールが販売している純国産のグレーンウイスキーです。このウイスキーは、日本洋酒酒造組合の基準を満たしており、ジャパニーズ・ウイスキーとして認識されています。関連する製品として、ニッカカフェモルトもありますが、こちらは一部に外国産の原酒が含まれているため、ジャパニーズ・ウイスキーの基準を満たしていません。

ニッカカフェグレーンの特徴

ニッカカフェグレーンは、特異な製造方法として「カフェ式連続式蒸留機」を使用しています。この蒸留装置は、今では珍しくなった技術で、原料の味わいをしっかり残すことができます。効率的には他の蒸留機に劣りますが、その結果として得られる独特の風味が魅力です。

このウイスキーは、2012年にフランスで先行発売され、2013年には日本市場でも販売が開始されました。滑らかな口当たりと甘みが特徴で、ストレートやロックでの飲用はもちろん、ウイスキーベースのカクテルにも利用されています。質の高さは、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジで金賞を受賞するなど、世界的な評価を得ています。

ただし、2019年には、ウイスキーブームに伴う原酒の供給不足により、一時的に販売が休止されましたが、その後再販が行われ、現在も人気を集めています。

ニッカカフェモルトの概要

ニッカカフェモルトは、同じくニッカウヰスキーが製造するウイスキーですが、こちらは大麦麦芽を100%使用した製品です。通常のグレーンウイスキーとは異なり、穀物を使わずに製造されるため、非常にユニークな存在となっています。製販のスタートは2013年で、こちらもフランスでの先行販売から始まりました。

このウイスキーの特徴は、大麦の風味が十分に残っていることです。カフェ式連続式蒸留機を用いているため、伝統的な製法と現代の技術が融合した味わいを楽しむことができます。2017年には、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジのグレーンウイスキー部門でトロフィーを受賞するなど、その実力を示しています。

ニッカカフェグレーンとカフェモルトの販売状況

共通する点として、ニッカカフェモルトとニッカカフェグレーンはいずれも2019年に原酒の供給が困難となり、販売が一時中断されました。しかし、両商品の人気が高いため、2019年の11月以降には再び販売されるようになりました。

製造の歴史

ニッカウヰスキーがカフェ式連続式蒸留機を導入したのは、1963年のことです。創業者の竹鶴政孝氏がヨーロッパ視察から戻った際に手に入れたもので、彼にとって自社工場における夢の実現でした。カフェ式蒸留機は、当時から見ても大型の設備であり、初めて導入されたのは西宮工場でした。

その後、カフェ式蒸留機は仙台工場へ移設され、2023年現在もその機能を維持したままウイスキーの製造に用いられています。この手法が好まれる一方で、製造には手間がかかるため、多くの蒸留所では採用されていない状態です。

また、2022年には競合であるサントリーがカフェ式蒸留機を知多蒸溜所に導入したことも話題になっています。

総括

ニッカカフェグレーンとニッカカフェモルトは、それぞれ独自の製法と魅力を持ったウイスキーで、日本国内外で高い評価を受けています。どちらも手に入る際は、ぜひその独特な風味を楽しんでみてください。

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