ニック・シリアーニ

ニコラス・シリアーニ：フィラデルフィア・イーグルスを率いる名将

ニコラス・ジョン・シリアーニ（Nicholas John Sirianni）は、1981年6月15日、ニューヨーク州ジェームズタウンに生まれました。現在はNFLのフィラデルフィア・イーグルスでヘッドコーチを務め、チームを強豪へと押し上げた手腕は高く評価されています。

現役時代とコーチへの転身

マウント・ユニオン大学ではワイドレシーバーとして活躍。卒業後はAIFのカントン・レジェンズで短期間プレーしました。2004年、母校マウント・ユニオン大学でディフェンシブバックコーチとして指導者のキャリアをスタートさせ、2006年からはIUPで3年間ワイドレシーバーコーチを務めました。

NFLでの躍進

2009年、シリアーニはカンザスシティ・チーフスのオフェンシブ・クオリティコントロールコーチに就任し、NFLの世界へ。ヘッドコーチのトッド・ヘイリーとは、YMCA時代からの旧知の仲でした。2012年にはワイドレシーバーコーチを務めましたが、シーズン終了後にチームを離れました。

2013年からはサンディエゴ・チャージャーズ（現ロサンゼルス・チャージャーズ）でコーチを務め、2014年にはクォーターバックコーチとしてフィリップ・リバースを指導。2016年からは再びワイドレシーバーコーチを担当しました。

2018年、シリアーニはインディアナポリス・コルツのオフェンシブ・コーディネーターに就任。チャージャーズ時代に共にコーチを務めたフランク・ライクに請われ、チームに加わりました。コルツでは、アンドリュー・ラック、ジャコビー・ブリセット、フィリップ・リバースと毎年先発クォーターバックが変わるという難しい状況の中、戦術を柔軟に変更し、チームを2度のプレーオフ進出に導きました。

イーグルスのヘッドコーチとして

2021年1月24日、シリアーニはフィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチに就任。就任後、チームはクォーターバックのジェイレン・ハーツを軸としたチーム作りを開始。オフェンシブ・コーディネーターにシェーン・スタイケン、ディフェンシブ・コーディネーターにジョナサン・ギャノンといった若手コーチを積極的に起用し、チームの刷新を図りました。

2021年シーズンは序盤こそ苦戦したものの、最終的には9勝8敗でプレーオフに進出。翌2022年シーズンは、レギュラーシーズンを14勝3敗という好成績で終え、NFC第1シードを獲得。プレーオフではニューヨーク・ジャイアンツ、サンフランシスコ・49ersを破り、スーパーボウルに進出しました。スーパーボウルでは、かつてコーチを務めたカンザスシティ・チーフスに惜しくも敗れましたが、その手腕は高く評価されました。

しかし、翌2023年シーズンは、シーズン終盤に失速。プレーオフではタンパベイ・バッカニアーズに敗れました。チームの成績不振の責任を問われ、シーズン終了後には複数のコーチが解雇される事態となりました。

迎えた2024年シーズン、チームは再び躍進。プレーオフを勝ち進み、スーパーボウルで2年前に敗れたカンザスシティ・チーフスと再戦。見事勝利し、チームを7年ぶり2度目のスーパーボウル制覇に導きました。

人物像

シリアーニは、チーフス時代に恋人のブレット・アシュリーと結婚。兄のマイク・シリアーニもアメリカンフットボール指導者として活躍しています。幼少期はピッツバーグ・スティーラーズのファンだったとのことです。

若手ながらも、その指導力とリーダーシップでチームをスーパーボウル制覇に導いたシリアーニ。今後の活躍から目が離せません。

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