ニック・チャブ

ニック・チャブ：クリーブランド・ブラウンズの至宝

ニコラス・ジャマール・チャブ（愛称：ニック・チャブ）は、1995年12月27日生まれのアメリカンフットボール選手。NFLのクリーブランド・ブラウンズでランニングバック（RB）として活躍しています。ジョージア州シーダタウン出身で、その卓越した才能は、ジョージア大学時代から注目を集めていました。

大学時代：才能の萌芽

ジョージア大学では、当初トッド・ガーリーの控えでしたが、ガーリーの出場停止を機に先発の座を獲得。アーカンソー大学戦で38回のキャリーで143ヤードを記録し、その才能をアピールしました。2014年のベルクボウルでは、ルイビル大学相手に266ヤードのラッシングを記録し、ボウルゲーム記録を更新。MVPにも選出され、フレッシュマンシーズンを1,547ヤードで終えました。

2015年には、ハーシェル・ウォーカーの記録に並ぶ13試合連続100ヤード越えを達成。しかし、テネシー大学戦で膝を負傷し、シーズンを棒に振ることになりました。2016年に復帰すると、再びその才能を発揮。トッド・ガーリーを抜き、大学のラッシュヤードで2位にランクイン。SEC史上でも2位のラッシュヤードを記録しました。

2017年のNFLドラフト参加も見送りましたが、シニアシーズンも大学でプレーすることを決意。ソニー・ミシェルとキャリーを分担しながらも、223回のキャリーで1,345ヤード、15タッチダウンを記録。チームをSECタイトルに導き、ローズボウルではオクラホマ大学を破る原動力となりました。ナショナルチャンピオンシップでは、アラバマ大学のディフェンスに苦しみましたが、その存在感は際立っていました。

プロキャリア：ブラウンズの柱へ

2018年のNFLドラフトで、クリーブランド・ブラウンズから2巡目全体35位で指名を受けました。同年6月には、約740万ドル相当の4年契約を結びました。

当初はカルロス・ハイドとデューク・ジョンソンの下でプレーし、シーズン開幕戦でNFLデビュー。その後、ハイドのトレードを機にフルタイムのスターターに昇格しました。11月には、92ヤードのタッチダウンランを記録し、ブラウンズのフランチャイズ記録を更新。ルーキーイヤーを996ヤード、8タッチダウンで終えました。

2019年には、レイブンズ戦で165ヤード、3タッチダウンを記録し、AFCオフェンシブプレーヤー・オブ・ザ・ウィークに選出。シーズンを通して1,494ヤードを記録し、リーグ2位のラッシングヤードを記録しました。

2020年には、MCLを損傷し故障者リスト入りするも、復帰後も活躍。シーズン1,000ヤードを超え、スティーラーズ戦で40ヤード以上のタッチダウンを記録。ワイルドカードゲームでも145ヤードを記録し、勝利に貢献しました。

2021年には、ブラウンズと3年3,660万ドルの契約延長に合意。プロボウルにも選出され、リーグを代表するランニングバックとしての地位を確立しました。

驚異的な身体能力

40ヤード走は4.52秒と平均的ながら、高校時代には陸上競技でも才能を発揮。100m走で10.69秒、200m走で21.83秒、砲丸投げで17.05mを記録し、州大会では砲丸投げで優勝しています。スクワットで306.2kg、パワークリーンで190.5kgを記録するほどの強靭な下半身と体幹、全身瞬発力を兼ね備えています。

ニック・チャブは、その圧倒的なフィジカルとスピードで、ブラウンズの攻撃を牽引するだけでなく、ファンを魅了し続けています。今後の活躍にも目が離せません。

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