ニック・ファルド

ニック・ファルド（Sir Nick Alexander Faldo, MBE）は、1957年7月18日、イングランドのハートフォードシャー州ウェリン・ガーデン・シティで生まれました。彼は、プロゴルファーとして、その卓越した安定感と、メジャー大会での勝負強さで、ゴルフ界にその名を刻んでいます。

ファルドは、マスターズと全英オープンでそれぞれ3勝、合計6つのメジャータイトルを獲得しました。世界ランキング1位にも通算97週在位し、ヨーロピアンツアーで30勝、アメリカPGAツアーで9勝、その他国際試合で4勝を挙げています。全英オープンは、欧州ツアーとアメリカPGAツアーの両方にカウントされるため、3度の優勝が重複記録となり、生涯通算40勝となります。

1976年にプロ入りしたファルドは、翌1977年に「スコール・ラガー・インディビジュアル」でプロ初優勝を飾りました。28歳からはデビッド・レッドベターの指導を受け、スイング改造に取り組み、30歳と1日で第116回全英オープンでメジャー初優勝を果たしました。最終日は霧と風が強く吹く悪天候の中、2位スタートながらも、全ホールでパーを続ける我慢のゴルフを展開。首位のポール・エイジンガーが後半に失速したことで逆転勝利を収めました。

1989年と1990年のマスターズでは、2年連続でプレーオフを制し、大会2連覇を達成。マスターズでの大会連覇は、ジャック・ニクラス以来、史上2人目の快挙となりました。1990年には、セント・アンドルーズのオールドコースで開催された第119回全英オープンでも優勝し、メジャー年間2冠を達成。この時の優勝スコアは18アンダーパーで、10年後の2000年にタイガー・ウッズによって破られるまで、オールドコースの最少スコア優勝記録でした。

1992年の第121回全英オープンでは、最終日に2位に4打差でスタートするも、一時2打のビハインドを背負います。しかし、15番ホールで「生涯最高のショット」と語る5番アイアンでのハーフショットを放ちバーディーを奪い、17番ホールでもバーディーを奪い、首位に並びました。最終18番ホールでジョン・クックがボギーを叩いたことで、2年ぶり3度目の優勝を飾りました。この大会は、初優勝時と同じミュアフィールドで開催されました。

1996年のマスターズでは、最終ラウンドでグレグ・ノーマンとの対決となりました。スタート時、ノーマンはファルドに6打差をつけていましたが、最終日に大きく崩れ、ファルドが逆転優勝を飾りました。しかし、この勝利には複雑な思いがあったとファルドは語っています。翌1997年のマスターズでは、前年優勝者として、当時21歳のタイガー・ウッズとラウンドを共にしました。ファルドは予選落ちとなり、ウッズが大会最年少優勝を果たす瞬間を見届けることとなりました。

1997年、ファルドはセベ・バレステロスとともに世界ゴルフ殿堂入りを果たしました。2007年には50歳を迎え、ヨーロピアンシニアツアーに参戦を開始。2008年のライダーカップでは、ヨーロッパ選抜チームのキャプテンを務めました。現在は、ジム・ナンツと共にCBSスポーツのゴルフ中継の解説者を務め、2012年からはBBCでの全英オープンの解説も担当しています。

主な優勝記録

PGAツアー：9勝
欧州ツアー：30勝
その他優勝：8勝
1979 ICL International (South African Tour)
1989 サントリー世界マッチプレー選手権
1990 ジョニー・ウォーカー・クラシック
1992 トヨタ世界マッチプレー選手権, ジョニー・ウォーカー世界ゴルフ選手権
1994 ネッドバンク・ミリオン・ダラー・チャレンジ
1995 テラス・スキンズゲーム
1998 ワールドカップオブゴルフ (with デビッド・カーター)


ファルドのゴルフにおける卓越した業績は、後世のゴルファーたちに大きな影響を与え続けています。

関連項目

ゴルファー一覧
ゴルフ四大メジャー大会優勝者一覧
男子ゴルフの世界ランキング記録

外部リンク

公式ウェブサイト
ニック・ファルド - ヨーロピアンツアー公式サイト
ニック・ファルド - PGA Tour.com

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