ニトラゼパム

ニトラゼパム（Nitrazepam）とは

ニトラゼパムは、ベンゾジアゼピン系に属する睡眠薬で、中間型の作用時間を持つ薬剤です。この薬は習慣性のある医薬品に指定されており、慎重に使用する必要があります。日本においては、1967年に塩野義製薬が商品名「ベンザリン」として開発・販売し、さらに第一三共が「ネルボン」として流通させています。ニトラゼパムは、向精神薬に関する国際的な条約でスケジュールIVに分類されており、日本の麻薬及び向精神薬取締法では第三種向精神薬に位置付けられています。

特徴

この薬剤の特性としては、睡眠症状を改善するために用いられる中期～長期作用型の睡眠薬に区分されます。ニトラゼパムの半減期は約12〜24時間であり、比較的長時間にわたって作用します。このため、治療後に翌日まで眠気やだるさが残ることもあります。したがって、不眠症の改善を求める場合には、寝つきを良くするための超短時間型や短時間型の睡眠薬が推奨されることがあります。

海外での一般的な商品名には、「Alodorm」「Mogadon」「Nitredon」「Nilandron」などがあります。これらの名称は地域によって異なるため、使用時には確認が必要です。

効能・効果

ニトラゼパムには次のような効能・効果があります:

• - 不眠症の改善
• - 麻酔前の投薬
• - 異型小発作群（点頭てんかん、ミオクロヌス発作、失立発作等）への対応
• - 焦点性発作（焦点性痙攣発作、精神運動発作、自律神経発作等）への効果

剤形

この薬は以下の形状で提供されています:

• - 錠剤：2mg、5mg、10mg
• - 細粒：1%

副作用

ニトラゼパムの使用に関連する副作用には、ふらふら感、倦怠感、眠気、残眠感、頭痛、頭重感、嘔気、嘔吐、口渇などがありますが、これらの副作用は一般的に一過性かつ軽度であることが報告されています。

依存性

ニトラゼパムは長期使用することによって依存症を引き起こす危険があるため、日本では2017年3月に「重大な副作用」の項目が追加されました。これにより、連用時の注意点として用量や使用期間を慎重に管理することが求められています。また、急に用量を減少させると、離脱症状が現れることがあるため、徐々に減量することが勧められます。厚生労働省からは、ニトラゼパムの適正使用に関する通知が発表されており、必要性を見極めて漫然とした長期使用を避けるようにとの呼びかけがあります。

医療関係者からの注意点

医薬品医療機器総合機構も、用量順守や類似薬との重複使用の確認が重要であり、少しずつ減量することが推奨されています。日本の診療ガイドラインや学術雑誌においても、依存症や副作用に関する研究の結果が報告されており、注意喚起がなされています。ニトラゼパムの使用に際しては、専門家の指導の下で行うことが不可欠です。

使用する際は、適切な情報をもとに慎重に判断し、健康管理に努めましょう。

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