ニブル

ニブルとは

コンピューティングの世界で、ニブル (nibble) はデータ量を表す単位の一つで、4ビットのことです。これは、一般的に使用される1バイト（8ビット）のちょうど半分にあたるため、ハーフバイト (half-byte) とも呼ばれます。また、テトラード (tetrade)、コンピュータネットワークや電気通信の分野では、セミオクテット (semi-octet)、クアッドビット (quadbit)、カルテット (quartet) とも呼ばれます。

1ニブルは、2の4乗、つまり16通りの値を表現できます。これは16進数の1桁と対応しており、ヘックスディジット (hex digit) とも呼ばれます。例えば、1バイト（8ビット）のデータは、2つのニブルで表すことができ、1バイトの取りうる256個の値は、16×16のテーブルで表現することで、それぞれの16進数表現が明確になります。

ニブルの利用

4ビットのコンピュータアーキテクチャでは、基本単位として4ビットのグループが使用されます。初期のマイクロプロセッサや電卓、ポケットコンピュータなどでは、4ビットのアーキテクチャが採用されていました。現在でも、4ビットで動作するマイクロコントローラが使用されています。

ニブルの歴史

"nibble" という言葉は、"half a byte"（半バイト）を表す用語に由来しています。その綴りは "byte" の同音異義語である "bite" に影響を受けています。1958年頃、ワシントン州立大学名誉教授のDavid B. Bensonが、ロスアラモス国立研究所のプログラマだった頃に、二進化十進表現 (BCD) の1桁を保持するための記憶単位として "half a byte" の意味で "nibble" という言葉を使い始めたと言われています。もしかすると、彼がこの言葉を造語したのかもしれません。

1980年代初頭の雑誌『キロボー・マイクロコンピューティング』や『バイト』の論説によれば、別の綴りである "nybble" は "byte" の綴りを反映したものです。また、"nybble" という言葉の初期の使用例としては、1977年にシティバンクの消費者銀行テクノロジーグループ内で、現金自動預け払い機とデータセンター間のトランザクションメッセージに関する標準として使われた "NABBLE" があります。

IBMのメインフレームでは、パック10進数で格納された数字の桁を格納するために、ニブルが使用されました。この手法は計算を速くし、デバッグを容易にするために利用されました。8ビットのバイトを半分に分割し、各ニブルに1桁の10進数を格納します。変数の最後のニブルは符号用として予約され、最大9桁まで格納できます。例えば、5つのBCD値 31 41 59 26 5C は、10進数 +314159265 を表します。

過去のニブルの用法

歴史的に、nybble が4ビット以上のグループに使用されたこともありました。Apple IIでは、ディスクドライブ制御とグループ符号化記録方式はソフトウェアで実装され、256バイトのデータを5ビット（後に6ビット）のニブルのセットに変換していました。Integrated Woz Machineに関する1982年の文書でも「8ビットニブル」という用語が使われています。

かつて「バイト」という用語も必ずしも8ビットを意味していたわけではなかったため、8ビットを意味する「オクテット (octet)」という用語が作られました。同様に、ニブルについても明確に4ビットを意味する「カルテット (quartet)」や「クアッドビット (quadbit)」という言葉が作られました。現在では、「バイト」と「ニブル」は、ほぼ常に8ビット、4ビットを意味する用語として使われています。

ニブルの表

以下は16通りの1ニブルの値とその表現です。

上位ニブルと下位ニブル

1バイトを構成する2つのニブルは、それぞれ上位ニブル (high nibble) と 下位ニブル (low nibble) と呼ばれます。バイト内のビットの図形表現では、左端のビットが最上位ビット (MSB) を表すことがあります。この場合、バイトの左端の4ビットが上位ニブル、残りの4ビットが下位ニブルを形成します。

例えば、10進数で97は2進数で(0110 0001)₂と表されます。このとき、上位ニブルは0110₂（10進数で6）、下位ニブルは0001₂（10進数で1）となります。

関連項目

4%BA%8C%E9%80%B2%E6%B3%95'>二進法
3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89'>ワード
3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E9%87%8F%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83'>データ量の比較
1284'>IEEE 1284 - ニブルモード

外部リンク

* 1_n8/page/n1/mode/2up'>Apple Assembly Line, May 1981, Volume 1, Number 8

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