ニャチャン

ニャチャン：ベトナムの美しいリゾート都市

ニャチャン（Nha Trang）は、ベトナム南部カインホア省の省都であり、美しいビーチと多様な文化が魅力の都市です。面積は約251平方キロメートル、人口は約53万5千人（2019年）で、ベトナム有数のリゾート地として知られています。

地理と気候

ニャチャンは、風光明媚なビーチや島々に恵まれ、リゾート地として人気があります。ホーチミン市から北東へ約450kmの場所に位置し、東南アジアの中でも比較的短い雨季（9月から12月）があります。雨季には雨量が多くなりますが、海に面しているため、乾季でも極端な猛暑になることは少ないです。

歴史

ニャチャンの歴史は古く、チャンパ王国時代には良質な漁港として栄えました。地名の由来は、チャム語で「葦川」を意味するEatrangまたはYatrangに由来するとされています。フランス領インドシナ時代には、フランス政府関係者のためのリゾート地として開発が進められました。

現代のベトナム語での発音は[ɲaː˧ ʈʂaːŋ˧]（ニャチャン）ですが、1940年代には日本軍によって「ナトラン」と呼ばれていました。ベトナム戦争時代にはアメリカ軍の軍港が置かれ、激戦地となりました。アメリカ軍兵士の間では、英語発音の影響で「ナトラング」とも呼ばれていました。

主な出来事

1969年12月22日には、サイゴン発ニャチャン空港行きのベトナム航空機が上空で爆発し、住宅密集地に墜落する事故が発生しました。この事故により、乗員乗客だけでなく、地元の住民を含め約90名が犠牲となりました。

ベトナム戦争終結後、ニャチャンは社会主義政府の高官向けの保養地となりました。その後、ドイモイ政策による経済改革に伴い、外国資本による観光開発が盛んになり、ビーチリゾートとしての発展を遂げています。

行政区画

ニャチャンは、19の坊（区）と8つの社（村）から構成されています。以下は主な行政区画の一部です。

ロックトー坊（Lộc Thọ）
ゴクヒエップ坊（Ngọc Hiệp）
フオックハイ坊（Phước Hải）
ヴィンハイ坊（Vĩnh Hải）
ヴィンフオック坊（Vĩnh Phước）
ヴィンタイ社（Vĩnh Thái）

観光

ニャチャンには、多くの観光スポットがあります。以下はその一部です。

ニャチャン・ビーチ： 約7kmにわたる美しい砂浜が特徴で、ベトナム有数のビーチリゾートとして知られています。年間を通して好天に恵まれ、多くの観光客が訪れます。
ニャチャン大聖堂： 高台に位置するカトリック教会で、美しいステンドグラスが印象的です。
ポー・ナガール： チャンパ王国時代の遺跡で、寺院として現在も多くの参拝者が訪れます。ベトナム風のシヴァ神のレリーフが見られます。
アイランド・ホッピング： 沖合に広がる島々を巡るツアーが人気で、ダイビングスポットとしても有名です。
ニャチャン海洋生物博物館： フランス風コロニアル様式で建てられた博物館で、地元の海洋生物に関する展示や標本が豊富です。ジュゴンのホルマリン漬けの標本も展示されています。

ニャチャンは、ユネスコが支援する「世界で最も美しい湾クラブ」にも加盟しており、その自然の美しさが国際的にも認められています。

交通

ニャチャンへのアクセスは、主に以下の方法があります。

カムラン国際空港： 以前はニャチャン空港が利用されていましたが、現在はカムラン国際空港が主要な空港となっています。ニャチャン市街地からは約45km南に位置しています。
ベトナム鉄道南北線（統一鉄道）： ニャチャン駅があり、鉄道でのアクセスも可能です。
バス： ホーチミン市からは約10時間、ダラットからは約5時間で到着します。

まとめ

ニャチャンは、美しい自然と豊かな歴史、そして多様な文化が融合した魅力的な都市です。ビーチリゾートとしての人気はもちろんのこと、歴史的な遺跡や博物館も楽しむことができます。ベトナムを訪れる際には、ぜひニャチャンを訪れてみてください。

参考資料

ウィキボヤージュ - ニャチャン
ベトナム政府観光局ウェブサイト - ニャチャン
* Nha Trang - Wikivoyage

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