ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの概要

「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」（NEJM）は、マサチューセッツ内科外科学会が発行する査読制の医学雑誌です。発行開始は1812年で、世界的に最も古い医学雑誌の一つとして知られています。特に、臨床医学に関する最も影響力のあるコミュニケーションの場となっており、数多くの研究結果がここから発表され、引用されています。日本版も存在し、1997年から南江堂によって発行されています。

発行の歴史

この医学誌は、最初はジョン・コリンズ・ウォーレン博士によって創刊され、当初は季刊誌として発行されていました。初めてのタイトルは『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン・アンド・サージャリー』であり、1827年には改称されることがありました。その後、1828年には週刊誌に移行し、さらにタイトルも『ボストン・メディカル・アンド・サージカル・ジャーナル』へと変更されました。現在のタイトルに変更されたのは、その100年後のことです。

1966年には、業界でも有名な論文であるヘンリー・K.ビーチャーによる「Ethics and Clinical Research」がNEJMで発表され、これにより同誌の影響力がさらに強まりました。このように、NEJMにはオリバー・ウェンデル・ホームズやルイス・トーマスなど著名な医師の論文も掲載されてきました。

NEJMの影響力

NEJMは、臨床医学系の学術誌の中でもインパクトファクターが常に高い評価を受けており、特にその影響力は顕著です。2006年には、NEJMがインパクトファクター51を達成し、これは50を上回った初の学術雑誌として記録されました。このような評価は、NEJMが臨床医学における重要な情報源であることを示しています。

オープンアクセスとサービス

NEJMは発行から6か月後に掲載論文がオンラインでアクセス可能となり、1993年までの古い論文も閲覧できます。ただし、この6か月の遅延は後発開発途上国のユーザーには適用されず、個人利用者には無料で提供されます。加えて、ポッドキャスト形式のサービスもあり、論文の著者へのインタビューや内容の要約を提供しています。

編集陣の歴史

NEJMの歴史の中で、数人の編集長が重要な役割を果たしてきました。初代編集長Walter Prentice Bowersは1921年から1937年まで在籍し、その後Robert Nason Nye、Joseph Garland、Franz J. Ingelfingerなどが続き、最新ではJeffrey M. Drazenが現在の編集長です。彼らのもと、NEJMは常に質の高い研究を発表してきました。

まとめ

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、世界中の医療従事者や研究者にとって欠かせない情報源であり、その影響力は今もなお健在です。臨床医学における最前線の情報や研究成果を共有する場として、NEJMは今後も多くの読者に支持されることでしょう。

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