ニュージーランド・ポンド

ニュージーランド・ポンド（New Zealand Pound）は、1840年から1967年までニュージーランドおよびその周辺地域で使用されていた、歴史的な通貨単位です。この通貨は、NZPやNZ£と略されることもありました。

当時、ニュージーランド・ポンドはイギリスポンドと同様の補助単位を採用しており、1ポンドは20シリングに、1シリングは12ペンスに相当しました。この制度は、当時のイギリスの通貨システムとの強いつながりを示しています。

初期には、複数の商業銀行が独自の紙幣を発行していましたが、1934年にニュージーランド準備銀行が設立されたことで、状況は大きく変わりました。この中央銀行の設立により、紙幣発行は一元化され、ニュージーランド準備銀行が唯一の発行機関となりました。

ニュージーランド準備銀行が最初に発行した紙幣は、10シリング、1ポンド、5ポンド、50ポンドの4種類でした。これらの紙幣には、第二代マオリ王であるタウィアオの肖像が共通して描かれていました。その後、1940年には10ポンド紙幣が追加され、同時に肖像はすべて探検家のジェームズ・クックに変更された第二版が発行されました。この第二版は、ニュージーランド・ポンドが廃止されるまで使用され続けました。

1967年、ニュージーランド・ポンドはニュージーランド・ドルに切り替えられました。この切り替えは、1ニュージーランド・ポンドが2ニュージーランド・ドルのレートで行われました。特筆すべきは、この旧通貨から新通貨への交換は、2016年現在でもニュージーランド準備銀行本店で受け付けられているという点です。これは、旧通貨に対する政府の責任と、歴史的な価値を尊重する姿勢を示すものです。

ニュージーランド・ポンドは、単に過去の通貨というだけでなく、ニュージーランドの歴史や文化、経済の発展を物語る重要な要素です。その歴史を通じて、通貨制度の変化、中央銀行の役割、そして国家のアイデンティティの形成という、様々な側面を理解することができます。

参考文献

Krause, Chester L.、Clifford Mishler（1991年）. Standard Catalog of World Coins: 1801–1991（英語）. Krause Publications. ISBN 0873411501.
Pick, Albert（1994年）. Standard Catalog of World Paper Money: General Issues. Colin R. Bruce II、Neil Shafer（英語）. Krause Publications. ISBN 0-87341-207-9.

外部リンク

* （英語） ニュージーランドの取引銀行

もう一度検索