ニュージーランド人

ニュージーランド：多様な民族が織りなす社会

ニュージーランドの国籍を持つ人々、通称「キウイ」は、多様な民族的背景を持つ人々から構成されるユニークな社会を形成しています。かつては先住民マオリの人々のみが居住していましたが、19世紀以降、ヨーロッパからの移民、特にイギリス系（スコットランド人、イングランド人、アイルランド人）が多数を占めるようになり、現在も人口の約7割を占める主要な民族グループとなっています。フランス、オランダ、スカンディナビア、南スラヴなど、他のヨーロッパ諸国からの移民も存在します。2022年5月時点でのニュージーランドの人口は約513万人と推計されています。

変化する民族構成

近年、ニュージーランドの民族構成は大きく変化しています。新規移民の流入、高い出生率、そして異人種間の結婚増加により、マオリ、アジア系、太平洋諸島系住民、そして複数の人種的出自を持つ人々の割合が上昇傾向にあります。これらのグループの人口増加率はヨーロッパ系を上回り、将来的には人口の過半数を占める可能性も示唆されています。

1986年の国勢調査以降、エスニシティに関する回答は複数回答が認められるようになりました。当初は複数回答を選んだ人は全体の4%程度でしたが、その後増加し続け、2006年には9.9%に達しました。2001年の国勢調査後には、「ニュージーランド人」というアイデンティティを祖先の出自に関係なく選択できるという議論が活発化しました。実際に「ニュージーランド人」と回答する人の割合は増加しており、1986年には2万人余りだったのが、2006年には人口の11%にあたる約43万人となりました。この増加は、ニュージーランド独自のアイデンティティが醸成されつつあることを示唆しています。

海外居住者コミュニティ

多くのニュージーランド人は国内に住んでいますが、海外居住者も相当数存在します。2001年の推計では、海外居住のニュージーランド人はニュージーランド生まれ人口の14%、約46万人に上り、その大半（約36万人）はオーストラリアに居住していました。他にも、イギリス、アメリカ合衆国、カナダといった英語圏諸国を中心に、世界各地にニュージーランド人のコミュニティが存在します。この国外居住者の数は増加傾向にあり、2010年には65万人以上、2014年1月時点ではオーストラリアに640,770人以上が居住していると推定されています。

まとめ

ニュージーランドは、多様な民族が共存する活気に満ちた社会です。ヨーロッパ系、マオリ、アジア系、太平洋諸島系など、様々な背景を持つ人々が織りなす文化の多様性は、ニュージーランド社会の大きな特徴となっています。近年における民族構成の変化、そして「ニュージーランド人」というアイデンティティの台頭は、この国のダイナミズムを示す重要な指標と言えるでしょう。海外居住者の増加も、ニュージーランドが世界に広がるグローバルなネットワークを持っていることを示しています。将来、この多様な社会がどのように発展していくのか、注目に値します。

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