ニュージーランド総督

ニュージーランド総督について

ニュージーランド総督（英: Governor-General of New Zealand、マオリ語: Te Kawana Tianara o Aotearoa）は、ニュージーランド王国の総督であり、事実上の国家元首としての役割を担っています。1986年憲法法第二条において、総督はニュージーランド国王（イギリス国王）によって任命され、その代理を務めると定められています。

歴史

1841年にウィリアム・ホブソンが副総督として任命されたのが始まりです。1917年以降は現在の職名であるGovernor-Generalが用いられています。

任命

ニュージーランドの首相が指名し、ニュージーランド国王が任命します。任期は明文化されていませんが、慣例的に最低5年とされています。過去には5年を超える任期を務めた総督もいますが、通常は5年で任期満了となります。

職務

ニュージーランド総督には、以下の3つの主要な職務があります。

1. 立憲君主（ニュージーランド国王の代理）としての職務
2. 祭礼・儀礼の職務
3. 地域社会への職務

また、ニュージーランドと自由連合関係にあるニウエの総督も兼任しています。ただし、同じく自由連合関係にあるクック諸島においては、国王名代がその職務を行います。

立憲君主としての職務

ニュージーランド国王の代理人として、議会や首相に対して一定の権限を有します。ただし、立憲君主制であるため、政治に直接関与することはありません。

祭礼・儀礼上の職務

公式行事や式典への出席、海外からの来賓との接見、海外訪問などを行います。

地域社会への職務

学校訪問や、ニュージーランド国内で催される年間約400のスポーツ、芸術、文化行事への出席など、幅広い活動を通じて地域社会との繋がりを深めます。

権限・官職

総督は以下の権限・官職を有します。

議会の解散権
内閣の任命権
内閣の解散権
首相の任免権
首相による選挙公示の謝絶権
法制定同意への謝絶権
恩赦及び再審に関する権限(Royal prerogative of mercy)
国防軍最高司令官(Commander-in-Chief)

ただし、これらの権限は象徴的なものであり、実際には議会が立法権を、首相と内閣府が行政権を行使します。

解任

ニュージーランドの首相は、総督の解任を国王に請求することができます。しかし、実際に解任された例はありません。

総督公邸

総督の住まいは、ウェリントンニュータウン地区に所在する政府総督公邸です。また、旧首都であるオークランドにも公邸があり、ニュージーランド国王訪問時には宿舎として使用されます。

参考文献

McLean, Gavin (2006). The Governors: New Zealand's Governors and Governors-General. Dunedin: Otago University Press. ISBN 978-1-877372-25-4

関連項目

ニュージーランド総督の一覧

外部リンク

The Governor-General of New Zealand（英語版）
History of the Governor-General, NZHistory
* Former Governors-General, the Governor-General website

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